出版社内容情報
はるか彼方、地球のどこかで暮らす子供たち。この小さい光があれば、物語は消えてしまわない。奇妙な懐かしさと野心的試みに満ちた、全く新しい長篇小説。
内容説明
この小さい光があれば、物語は消えてしまわない。はるか彼方、地球のどこかで暮らす子供たち。時間は不意に巻き戻る。忘れがたい世界へといざなう、野心あふれる長篇小説。
著者等紹介
福永信[フクナガシン]
1972年、東京生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のえる
41
図書館本。A、B、C、Dという名の子どもたちの物語。A、B、C、Dそれぞれが全編に渡って共通の人間なのか、それとも異なっているのか…不思議だけど身近にありそうな素朴な場面が織り成す魅力的な物語。子どもならではの視線が新鮮。夜空に広がる無数の星々、星座から見える地球は多角的で見え方感じ方は多種多様ということか。一見小さなことの一つ一つが繋がり大きな星座をかたちづくるように思い出が作り上げられるということだろうか。2021/09/26
ともとも
31
登場人物ABCDの4人の子どもたちの物語。 それぞれの空間?世界、人間描写が確立されていて それが個性豊かに描かれていながらも、SF?物語の世界に迷い込んだかのような 一方で物語ではなく、さも現実の世界の様なリアリティを感じつつも、 展開の速さ、変わり目なども手伝っていたせいか、難解さを呈しながらもてしまいます。 それだけに、物語をいろいろな角度、感性で読むことが出来て 多々、考えさせられることもありましたし、楽しく読むことが出来たので良かったです。 2015/10/19
晴れの国のにっしぃ
16
初めての福永信さん。この本もブックエディターの名久井直子さんが装丁を担当されている関係で9/26放送の『情熱大陸』で、出版イベントの模様が紹介されていました。装丁が気になって手に取りました。小さい頃に経験したことのあるような小さな物語たちが鏤められています、星座のように。より汎用性を持たせるためでしょうか、登場人物に人名は使われず、A,B,C,Dというような記号表記になっています。残念ながらこれが私には合いませんでした。どうしても物語に集中出来ませんでした。顔が見えてこないんですよね、記号だと。2010/10/05
ぱせり
13
人のささやかな気持ちの一つ一つが、ささやかな痛みのようにちくちくと突き刺さる。遠い宇宙からこの地球を眺めたら、人は星に見えるのではないだろうか。またたきがちくちくするけど、その痛みがあまりにも愛おしいです。 2011/02/25
arkibito
11
Aの主張では地球という惑星で起こるささいな事象を切り取った一種の観察日記なのだという。Bにとってこれは全くの他人事ではなかった。ここに描かれたことについて、彼は身に覚えがあったからだ。無視するわけにはいかなかった。もしかしたらこれは彼本人についての物語かもしれないからである。Cに言わせればこれは全くのでっちあげだと言う。話の中身もてんでアベコベでデタラメ。騙されてはいけないと警戒している。Dは黙ったまま一心不乱に本にかじりついている。彼はまさに深く感動していたのである。一読の価値ありと私は思う。あなたは?2010/08/03