内容説明
日本人の精神は、どこまで壊れてしまうのか?ネット上で、他者を匿名で中傷する人びと。ゲームや映像に汚染されていく子どもたち。他人の痛みに全く鈍感な行政官や企業人…今こそ見直すべき心の情景を説く警世の日本論。
目次
名を隠す日本人、お前は何者か?
個人情報保護でこの世は暗黒へ
ITバブルと脳内汚染
“心の分娩”は三年かかる
詩人は金魚を突き殺す
被害者の死を待つ被告人・国家の怪
人の痛みを感じる国家は創れるか
現場・現物が語り出すとき
パソコンと棚田
続・パソコンと棚田
人間到る処青山あり
“新老人ジュニア”青山探しの旅
著者等紹介
柳田邦男[ヤナギダクニオ]
1936年栃木県生まれ。NHK記者を経てノンフィクション作家に。1972年『マッハの恐怖』で第3回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。1995年『犠牲(サクリファイス)わが息子・脳死の11日』とノンフィクション・ジャンルの確立への貢献で、第43回菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
3
ふむ2023/01/15
愛希穂
0
人の痛みを感じる国家、ということに対する明確な答えは示されていないと思います。 ただ、本を読み終わって私なりに思ったのは、 特に、小泉改革以後、市場原理主義、効率主義、儲かれば、自分さえよければそれでいいというような風潮が、人の痛みを感じることのできなくなった一つの要因なのかもしれない。 正しくこなすために、「3人称の視点」を維持しながらも、それだけで物事をはこぶのではなく、自分が「1人称、2人称の立場」だったらという意識を持つことが必要。2011/10/14