松本清張傑作選
松本清張傑作選 戦い続けた男の素顔―宮部みゆきオリジナルセレクション

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  • サイズ B6判/ページ数 308p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103204367
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「私小説は書かない」作家の素顔に触れる。ただし、一筋縄ではいきません。
肉親への愛憎、出自に人生を左右される哀しみ、つかみ得ない幸福への憧憬……。「戦う社会派」のイメージに隠れて見落とされがちな、人間・清張の素顔とホンネがどこかに垣間見える作品を収録。限りなく残酷で衝撃的な結末が用意された「月」ほか、私小説的でありながらもあくまで虚構、仕掛けと驚きに満ちた十二篇。

内容説明

世界最大の謎?それは、自分自身。―私小説的でも、どんでん返し!最強の読み手が独自の視点で選ぶ“マイ・ベスト”。

著者等紹介

松本清張[マツモトセイチョウ]
1909.12.21‐1992.8.4。福岡県企救郡板櫃村大字篠崎(現・北九州市小倉北区)に生れる。種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、1953(昭和28)年『或る「小倉日記」伝』で芥川賞を受賞。’67年吉川英治文学賞、’70年菊池寛賞、’90(平成2)年朝日賞受賞。作家人生40年間の発表作品は1000篇近い

宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960(昭和35)年、東京都生まれ。’87年、「我らが隣人の犯罪」(オール讀物推理小説新人賞)でデビュー。以後『魔術はささやく』(日本推理サスペンス大賞)、『龍は眠る』(日本推理作家協会賞)、『火車』(山本周五郎賞)、『理由』(直木賞)、『名もなき毒』(吉川英治文学賞)など数々のベストセラーを生み出している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gtn

26
「田舎医師」「暗線」等収められた短編に通底しているのは、人生の不合理。著者はそれに拘泥し、憤ってもいるが、最終どうなるか分からないと諦観している。2022/10/17

キムチ27

17
自殺以外は血も流れることなく、昭和初期の世相が恨み節と言う感じで流れる。 「絵葉書の少女」のラストで「この話、小説になりませんか」には微苦笑。テレビインテレビみたいで。 今より「世間は常識の枠を作り、それにはめられたら どん箱とでも単純に公式化」されていった社会で抗う惨めな人生が哀しい。 「流れの中に」で語る父・・「法律を知っていた事」で世渡りに武装していたつもりだったが 生半可な知識なぞ何の役にも立たないといいきっているのは清張自らの声と感じた。2013/10/16

Asako Nakamura

11
繰り返し同じような設定でありながら、それぞれ少しちがう。その設定の中で作者は何を語りたかったのでしょうか。或いは何が語れないと思って続けたのでしょうか。私のような清張さん初心者が読むにはちょっとツラかったです。2017/04/21

Higashiyama Shin

4
清張、私小説的な色合いが濃い作品群。「ひとり旅」「絵はがきの少女」が好きでした。主人公が憧れた絵はがきの少女がたどる流転の人生は、ドラマチックだが、他人にしてみたら小説のネタにもならない。この台詞の切れ味がお見事です。清張が神の目線で物語りを紡ぐ。作者である自分自身を含め、特定の人物にこだわらない。いや、こだわらないという事にこだわる。一人の人間の存在は、社会にとって小さな儚いものだと語っている。と宮部は解釈している。2015/08/08

RK59320

1
宮部みゆきベストセレクションという別シリーズも含めて、選ばれている作品は読み応えがあるものばかりである。「泥炭地」の最後が、松本清張作品としては珍しく救いのある終わり方になっていて新鮮であった。これで松本清張傑作選は全て制覇した。この中から、あえてベスト3を選ぶのであれば「点と線」、「草」、「鬼畜」である。2014/03/30

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