時の名残り

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103147121
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

夫・吉村昭と共に小説のため苦労した若き日々、故郷について、旅路の思い出、今もふと甦る夫の姿──。胸に沁み入る珠玉のエッセイ。夫・吉村昭と共に苦労した若き日々のことなど、懐かしい思い出を綴る一冊。作家として立つため共に必死で書き続けた若い頃。仕事以外に旅をしない夫の取材に連れ立った思い出の土地。「戦艦武蔵」「海鳴」などそれぞれが生み出した小説作品の創作秘話。故郷・福井への思い。そして今もふと甦る夫の姿――。88歳の著者が来し方に想いを馳せ、人生の哀歓をあたたかい視点で描いた珠玉のエッセイ集。

津村 節子[ツムラ セツコ]

内容説明

夫・吉村昭と共に小説のため苦労した若き日々、故郷について、旅路の思い出、小説を生んだもの。そして今もふと甦る夫の面影―。88歳の著者が人生の軌跡を綴る珠玉のエッセイ。

目次

1 夫の面影(号外;雪国の町 ほか)
2 小説を生んだもの(佐渡慕情;やきものを求めて ほか)
3 故郷からの風(四日間の奮闘;ある町の盛衰 ほか)
4 移ろう日々の中で(箱根一人旅;二十八組の洗濯挟み ほか)

著者等紹介

津村節子[ツムラセツコ]
1928(昭和3)年、福井市生れ。学習院短期大学国文科卒。在学中より小説を発表し、64年「さい果て」で新潮社同人雑誌賞、65年「玩具」で芥川賞、90年『流星雨』で女流文学賞、98年『智恵子飛ぶ』で芸術選奨文部大臣賞、2011年「異郷」で川端康成文学賞を受賞。日本芸術院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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mondo

29
夫の吉村昭との思い出を綴った津村節子さんのエッセイ。特に「緊張の日」は、吉村昭が生きていたらとジーンとする作品。平成25年6月11日の一週間前にかかってきた電話から話は始まる。天皇陛下が荒川区立日暮里図書館に行幸になるという区長からの電話が入る。陛下が『見えない橋』をお読みになったそうで」それから行幸までの一週間の緊張の日々が綴られる。作品展示に「三陸海岸大津波」があった。展示を見終わった後、天皇陛下は「こういうことは後々まで語り継がねばなりませんね」と仰せられた。吉村昭がいたら感動したに違いない。2021/07/22

aloha0307

23
意外にも津村さんは初読みであった。尊敬しあい、支えあってきた夫:文豪 吉村昭さんとのかけがえないのない日々。吉村さん逝去から11年 直接的な描写はないのだが、人生の連れ合いに対する浄化し深められた愛情が、目盛りを最強にした電気コンロのようにこちらに放射してくる(吉村さんニッコリだね)。感情がカサカサに乾ききった現代、本書は潤いをあたえる優しい雨のよう。困るのは吉村さん、津村さんの著作をあれもこれもと読みたくなってしまうこと(リストアップしたら20冊超! すでにこんもり積読本...)2017/08/05

信兵衛

20
私は吉村昭作品のファンでしたので、やはり吉村昭さん関連のエッセイ部分に惹かれました。2017/04/09

Cinejazz

12
2006年7月31日に亡くなった吉村 昭氏(享年79歳)の妻で作家の津村節子さんが、夫と共に歩んだ苦難の日々、小説の創作秘話、取材先の思い出、故郷(福井)への思慕など、移ろう日々のなか切々と語りかけた珠玉のエッセイ53篇です。『夫の面影』の章(20篇)を読んでいると、天国の酒場で吟醸酒を呑みながら、ひとり微笑まれている姿が浮かんできます。2021/08/04

黒豆

9
津村節子さんの作品は土恋が今でも印象深く、読破を目指している。吉村昭さんとの夫婦の書斎、作風、旅、交流など興味深い内容満載。天皇陛下が吉村昭さんの作品を読まれ興味を持たれ、資料展示図書館立寄り御幸された事。吉村昭さんは何度も候補になったが芥川賞を受賞していない事、受賞していたら記録小説的な作風になっていなかった事、そして、この作風ゆえか、今でも続版が続いている事、など納得できる事、多々。再読作も有るが次の読書候補→福井五部作かな?2017/04/28

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