内容説明
“アンダーグラウンド”から照らし出す昭和史。復興著しい東京で、1500人の構成員を束ね夜の六本木を闊歩した鄭建永(チョン・コンヨン)=日本名・町田久之。右翼の大立者・児玉誉士夫と日韓を股に掛けて暗躍し、ヤクザでありながら政財界に根深く食い込んだその存在は、やがて「フィクサー」と畏れられるまでになった―。盟友・力道山との絆、芸能・スポーツ界でのタニマチぶり、ようやく語られた秘話の数々。急成長を遂げる日本と共に生き、そして消えていった男の人生を描く。
目次
プロローグ
第1章 反共と暴力と
第2章 盟友
第3章 海峡を越えて
第4章 力の王国
第5章 夢の跡で
エピローグ
著者等紹介
城内康伸[シロウチヤスノブ]
1962年、京都市生まれ。早稲田大学法学部卒。87年、中日新聞入社。東京新聞(中日新聞東京本社)社会部で警視庁捜査二課を担当、サブキャップなどを務める。93~96年、2000~03年、ソウル特派員、同支局長。その後、社会部デスクを経て、2008年春まで北京特派員。現在、外報部次長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gtn
4
痛快といえば語弊があるが、痛快な人物である。しかし晩節は無念だったか。町井が信仰する宗教も意外。その会員らによる町井の人物評があれば、なお良かった。2018/03/22
おたきたお
2
著作の中の町井氏は、昭和の一時代を駆け抜けた人だと思いました。リアルには知らないので、著作だけの印象ですが。関西在住の私が所用で東京へ行った折、池上本門寺に寄りました。本著に町井氏の墓が池上本門寺にある、と記されていたからです。いたるところに「力道山のお墓はこちらです」の案内がありますが、私の予想とは外れ、町井氏の墓は力道山の墓とは離れていました(50mほどですが)。町井氏の墓は、「先生」と崇めていた児玉誉士夫氏の墓の隣にありました。立派な門のある墓でした。著作の内容を思い浮かべ、墓前で手を合わせました。2009/07/24
SU
2
東声会町井久之さんの評伝。戦後史としても読める。表紙の写真が大山倍達さんに似ています。2014/08/06
G2
1
晩年は寂しい。2024/03/04
弦舞院 律枢
1
読破2015/10/31