崩御と即位―宮中で何が起こっていたのか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 364p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103136712
  • NDC分類 288.41
  • Cコード C0095

内容説明

父帝・孝明天皇の不可思議な夭折により、十四歳の幼さで皇位を継承した明治天皇。偉大な父の幻影に翻弄され、脳病に倒れた大正天皇。その不在を埋めた昭和天皇は、戦渦の中で大元帥として生きた。そして今上天皇は…。明治から平成までの代替わりの「その瞬間」をつぶさに検証、政治家や宮内官僚たちの思惑に巻き込まれながらも、近現代天皇制が確立していく五代の家族史を描く。

目次

摂政宮誕生と大正天皇の嘆き
貞明皇后の「妻としての選択」
「女性天皇」の成立とその限界
側近たちの死と時代の空気
大正から昭和へのその光景
見えてきた昭和天皇の実像
「父帝の影」と死を前にしての決意
残された昭和天皇の「お言葉」
「あの戦争」への自責の念
病状報道という非人間的空間
明治天皇、体調不良の日々
「聖上陛下御重態」宮内省の内と外
皇太子が闘う日々の実相
「洵に恐懼の至りに堪へず」
新天皇体制の形成と戸惑い
漢詩にみる大正天皇の心中
孝明天皇「毒殺」の噂
「亡霊」となった孝明天皇
時代を拓く君主の道
先帝を否定する宿命
天皇と皇后たちの時代

著者等紹介

保阪正康[ホサカマサヤス]
1939(昭和14)年、北海道生まれ。同志社大学卒。出版社勤務を経て、ノンフィクション作家に。個人誌「昭和史講座」を主宰。2004(平成16)年、一連の昭和史研究で菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

犬養三千代

8
「天皇が代がわりすることて社会の規範や国家の目標も変わりうることがこの国の知恵として存在しているのではないかと窺えるのだ。」 まさに、。 孝明、明治、大正、昭和の各天皇の代代わりに伴う各天皇の成長を描く。そして側近たち皇后の果たした役割も。貞明皇后を「女性天皇」と表現しているのがふと西太后や持統天皇を思わせる。2019/08/26

金吾

1
なかなか目にすることがない系統の話で、興味をもって読むことができました。2019/09/01

1
著者の本は読みやすいものと読み辛いものがあるけど、こちらは前者。どうも陸軍に焦点を当てちゃうと著者の陸軍嫌いが文面ににじみ出るので読みにくいみたいだ。今回は天皇がテーマなのでさすがに叩くことができないから読んでいるこちらもうんざりしない。昭和天皇崩御前のあの自粛の独特な雰囲気を鮮明に思い出させる本。2011/08/24

wang

1
崩御に至るまでの報道により天皇制への国民の興味が醸成され、次代に移り変わっていく過程が興味深い。新帝の心理についても時代を映している。2009/04/05

ken7ito

0
題名以上に奥の深い歴史分析である。2009/05/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/96729
  • ご注意事項