内容説明
“小森”は、周囲の村から「部落」として意味のないさげすみを受け、交際を絶たれていた。学校に通う子供たちも、絶え間のない差別と闘わなければならない。誠太郎は小学校を終えて大阪の米問屋へ丁稚奉公に行き、孝二は高等小学校に進んだ。成績の優秀な孝二は副級長に選ばれる。しかし、明治天皇の葬儀の夜、暗闇の中で、級友の美少女まちえが孝二の手を握ったわけを知った時、孝二は涙を堪えることができなかった。“わしは人間や!”自らの不思議な境遇を悲しい宿命とあきらめず、孝二は頭をあげ、胸を張って歩いてゆく―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
jima
6
中学校修学旅行まで。2023/08/07
けいこん
6
兄弟が少し大人になったぶん、差別や不条理は複雑になっていく。ただ嫌うとか、除外するわけではなく、親切に振舞っている人の中にもある、根深い偏見。そして自分の中にある自分に対する偏見も見えてくる。面白いけど、描写がくどいと言うか、長くて飽きてきたな。2019/08/06
シロツメクサ
1
主人公の兄が「差別される原因は自分たちの肉体的、精神的異質に由来するのではなく、一にも二にも差別する側の,都合,にあるのを知っている。」と考えます。そのことで得する人たちがいて、差別されるのだと。2014/07/24
ゆーこ
0
辛い。一部にも増してキツイ。だけど、人の世って姿形を変えて、基本こんなものなんだろうな。2015/01/29
705
0
武やん!なんで13歳で刃物で自殺したんや。涙、涙です。主人公たちのそれぞれの成長。百年前と今の日本と、根本的にあまり変わってないやん。涙