出版社内容情報
まずは「序曲」をお愉しみあれ!
中世最大の事件「十字軍」の最良にしてもっとも美しい入門書。
キリスト教徒とイスラム教徒の衝突という、現代にも通じる問題を孕む中世史最大の事件「十字軍」とは何なのか?日本人に馴染みの薄いテーマをわかりやすく解きほぐし、十九世紀の画家ギュスターヴ・ドレによる美しい挿絵とともに、二百年に及ぶ壮大な歴史世界へと誘う―。
待望の新シリーズ「十字軍物語」、その“序曲”と位置づけられる美しき画文集。
内容説明
21世紀にもつながるキリスト教vs.イスラム教、対立の原点。聖地奪還のための大遠征はどう始まり、どう戦われ、どう破綻したのか。美しく精緻な版画に付した簡潔な短文で描かれる十字軍史、最高の入門書。
著者等紹介
塩野七生[シオノナナミ]
1937年7月、東京に生れる。学習院大学文学部哲学科卒業後、63年から68年にかけて、イタリアに遊びつつ学んだ。68年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。82年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。83年、菊池寛賞。92年より、ローマ帝国興亡の歴史を描く「ローマ人の物語」にとりくみ、一年に一作のペースで執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
119
塩野さんの本というよりも十字軍の絵を描いたドレの作品集といえそうです。塩野さんの十字軍の話がやっと文庫本で4冊になって出版されたのでそれを読む前にこれを読んで事前に情報を仕入れようと思いました。約100枚の絵を集めて見開きで塩野さんが解説してくれています。ドレの絵は聖書や神曲では見たことがあるのですがこれは初めてでした。十字軍自体500年にもわたるものであったということですが、あまり勉強したことがなく新鮮に感じました。じっくりと塩野さんの本を読んでいきます。2019/02/21
レアル
78
ずっと塩野氏の作品を読み続けてきて辿り着いた十字軍のこの本。ドレの挿絵を眺めているだけでも十分楽しめる。宗教対立、キリストvsイスラムと殉教者同士の対立で学校で習った授業よりも絵を眺めているだけで、そして塩野氏の挿絵に対しての文章を読むだけで、十字軍の概略がさらりと分かる。十字軍物語の始まり。。2014/11/07
ヴェネツィア
74
全部で8回にも及んだ十字軍。これは、3巻ある塩野七生の『十字軍物語』の序幕。表紙にもあるように、この巻は全編をG・ドレの挿絵を用いて構成されている。ドレは『ドン・キホーテ』や、『失楽園』などで知られるが、ここでもなかなかの迫力と、あたかも見てきたかのような描写力だ。予告編としては、随分と贅沢なもの。2012/04/09
つーこ
55
『神の名の下に』『神もそう望んでおられる』なんて罪な言葉なのだろう。目に見えないからこそ、現実の生活がきついからこそ人々は神の存在を望む。そんな信仰の想いを利用して陽動した隠者ピエールが一番罪深い。『殉教者』となれば天国で幸せになれる。そんな淡い希望だけで過酷な旅をし、戦死や餓死した多くの人々。それが200年近くも続いたなんて、日本で平凡な生活をしている我々にはとても信じられない。ドレの描く重く暗い十字軍の絵画と塩野さんの分かりやすい説明文で、とても読みやすかった。2021/12/25
優希
41
『十字軍物語』を読んでいるので、絵で見ることにより、理解がより深まった感じがします。分かりやすい解説と、美しい挿絵が十字軍の世界を簡潔に物語っています。簡潔な内容ですが、これだけ読んでも十字軍については基本的なことは把握できるのではないでしょうか。非常に興味のある分野なので、このような形で読むことができてよかったです。2014/09/04