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動かぬが勝

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103090168
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

五十の手習いで道場の門を叩いたが、いっこうに剣の腕があがらぬ隠居老人幸兵衛が、苦難の果てに会得した剣の極意とは、即ち生きる極意でもあった(「動かぬが勝」)。人生の「その時」を鮮やかに浮彫りにした全七篇。『江戸職人綺譚』以来待望の時代小説短篇集。

著者等紹介

佐江衆一[サエシュウイチ]
1934年、東京生まれ。コピーライターを経て’60年、短篇「背」で新潮社同人雑誌賞を受け作家としてデビュー、佐藤春夫に評価される。’90年『北の海明け』で新田次郎文学賞受賞。’95年、ドゥ・マゴ文学賞を受賞した『黄落』は、著者自身の老老介護を赤裸々に描いてベストセラーになった。’96年『江戸職人綺譚』で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hiace9000

47
江戸人情話短編集。江戸に生きる庶民の哀愁と、仄かに灯る幸を切なくも温かく切り取り描く、実に"味わい"深い一冊。その"味わい"の理由を思う。今ではTVの時代劇離れも著しいが、幼い頃テレビをつければ、当時は不思議と時代劇ばかり流していて(それも再放送で)何の感興も抱かず、見るともなく眺めていたことを思い出す。人が生きる上で出会う哀切や妙味、「その時」を絶妙に浮き彫る匠の筆、剣術・武道への一角ならぬ造詣の深さや、老いを見つめ見護るリアリティー。それらの味わい方をようやくわかる歳になってきたのかな…と。2021/11/21

沼田のに

4
「動かぬが勝」「峠の剣」「最後の剣客」と読んで段々普通のチャンバラを外れてくのを感じたけど「江戸四話」はなんだ。これで終わり?それでどーした、だから何だ、と落ちを感じさせないお話で上級の読み手でないと良さが解からない様な終わり方の四題で面食らってしまった。修行のし直しだと思ったがもう遅い。5/102014/08/29

ko-sight

3
表題を含む三篇は勝つためには、焦らず、平常心が必要という展開。他の四編は人情物で趣きが違うが、それはそれででそれなりの味があった。2015/10/01

山内正

2
絹は湯治の湯に浸かってると十位 の男の子がいた 湯から出浴衣を着た時老人がもっと年老いた老人を抱いて湯舟に入れる姿に胸を打たれた 翌日宿場外れに一家は住んでいた縁の柱に括られ尿を漏らしてた老人を思わず介抱した後に 曽祖父と老人と孫三人での暮らしだと息子夫婦は死んだと言う 孫は宿の使いやらもしていてと話す 実は敵討ちの途中なんだと 偶然宿から孫が見つけましたと急ぎ帰って来て敵をと 曽祖父を預け二人で武士に立ち向かう あざ笑いながら刀を抜き一太刀振るううち 風の様に敵にすり寄った孫が刺し貫いた一瞬の出来事だ2019/04/05

インテリ金ちゃん

2
「驚」「懼」「疑」「惑」剣においても無心は難しい。江戸時代末期の人情話は、ちょっと切ない。2017/02/12

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