中国臓器市場

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  • サイズ B6判/ページ数 239p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103080817
  • NDC分類 494.28
  • Cコード C0095

内容説明

死体を見たら金と思え。死刑囚争奪戦、飛び交う賄賂、臓器目あての殺人…移植大国で横行する日本人も巻き込んだ「死体ビジネス」とは―。北京オリンピックの裏に潜む、移植大国の病める実態。

目次

第1章 臓器の九割は死刑囚から(ある日本人ブローカーとの出会い;死刑囚ドナーのメリット ほか)
第2章 臓器を得るには「カネ」と「コネ」(値上がり続ける臓器;拝金主義の医療現場 ほか)
第3章 中国の常識、世界の非常識(「私たちの臓器はどこに」;死刑囚ドナーに対する批判 ほか)
第4章 臓器があればどこまでも(再開された死刑囚からの移植;大切な医師への接待 ほか)
第5章 臓器問題はどこへ行くのか(フィリピンの画期的な制度;臓器売買か否か ほか)

著者等紹介

城山英巳[シロヤマヒデミ]
1969年生まれ。慶応大学文学部西洋史学科卒、時事通信社入社。社会部、外信部などを経て2002年6月から中国総局(北京)特派員。07年10月に帰国、外信部勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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姉勤

25
憲法より道理より、「共産党」が優越される国の2008年の臓器売買事情。ドナーにコーディネイトされた死刑囚を手術直前に刑を執行。上面で人道を唱えているエスタブはその臓器市場が消えることを絶対に望まない。それは、カネとコネさえあれば、無法が通る世界。その二つがあって、自身や身内の病が命が助かるなら、文句があるかが人情だが、僧だろうが神父だろうが反権力となれば死刑となる。反権力とは、党と人民解放軍の気に入らない言動、能力の事。手術を受けた人には文句はないが、無辜の誰かの臓器を奪って生きているかもしれない自覚を。2018/06/12

wasabi

11
レシピエントの立場に身を置かずして、中国やフィリピンでの臓器移植の是非は語れない。実態として中国では死刑囚の臓器が積極盛んに移植されていたようで、相当数の臓器がいわば迅速に提供される。日本で見込みなく絶望的な状況下でドナーを待つ人たちが、そこに救いを求める思いはわかる。ただ、ブローカーや信じられない低賃金の中国医師たちがカネを求める不平等なコネ社会でのオペであり、死刑囚の承諾とて疑わしい。曖昧な倫理観が靄る。この著書が発刊されてのち、法輪功学習者からの臓器移植が増えたと報じられ、人道的に一層心が重くなる。2021/02/12

ようはん

5
2019年の現在の状況は分からないが、十数年前において臓器移植大国であった中国の実情を書いたルポ。当時の中国におけるドナーの大半が死刑囚で日本人のブローカーを通じて日本人にも数多くの臓器が移植されていた事実を知った。無論、多額の費用を要求する中国の医者の拝金主義にホームレスを襲撃して死刑囚の臓器と偽った事件や不十分な移植手術で短期間で亡くなったりと闇の部分も多い。2019/07/23

takao

4
9割は死刑囚から2022/12/28

Humbaba

3
いくらルールを定めても、それが正しく運用されなければ意味はない。何に価値を置くかによって変わるものの、自分の利益を最優先にする場合にはそれを減じるようなルールは守られないことが多くなってしまう。強い罰則があれば守られやすくはなるもののそれも運用によって回避されてしまえば意味がない。2017/01/16

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