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たまゆら

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  • サイズ B6判/ページ数 299p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103063322
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

人は山に留まることは出来ない。山は人の住む処ではないのだ──。狂おしい思いにとらわれ、呼ばれるように山へ入る二組の男女を描く切なく怖ろしい物語。

内容説明

「離さない。絶対に離さない。もう二度と、行かせたりしない」ここから人の世が尽き、山が始まる。そんな境界の家に暮らす老夫婦の元へ、一人の娘が辿り着いた。山に消えた少年を追っていると言う。しかし山はそう簡単には、人を受け入れない。人でなくていいのなら、越えてしまえ―。狂おしいほどの想いにとらわれ、呼ばれるように山へ入った人々の赦しと救いを描く慟哭の物語。

著者等紹介

あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師ののち、作家デビュー。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、『バッテリー1~6』で小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あつひめ

57
ぬばたまに続いて深い深い山にたどり着いた。吸い寄せられるように訪れる山。それは心が弱っているから呼ばれてしまうのか。いや、自分の生き様が山の神の目に留まったのかもしれない。境界で暮らす2人。長いこと蓋をしてきたものを一気に吐き出す。愛のチカラなんて生易しいものではなく業のようなものが二人を結びつけていたのかもしれない。境界に住んでいた老夫婦がやっと心の荷をおろして休むことができるのかも。ヒバはかわいそうだけど。う~ん自然に脅かされるような人の手では何も敵わないような世界を続けて読んだ。あさのさんすごい。2012/10/29

ぶんこ

46
一人の人を、狂おしいほどに愛する、愛した日名子さんと真帆子さん。 狂気ともいえる愛し方に、共感というよりも恐れを感じました。 あまりに強烈な感情を持っているからこそ、異界との境で暮らさざるを得ないのかとも思いました。 表題のイメージとは違い、烈しい物語といっていいようです。2015/01/13

クリママ

27
山の奥、山と里の境界に住む老夫婦。山へ登ろうとする年若い娘が辿りつく。山頂への道すがら、老夫婦の過去が語られる。激情、惨劇、心を揺さぶられる出来事。でも、何か気持ちが引いてしまう。老妻の独白が、散文ような、昔話の語りのような、そんな文章に違和感を持ってしまったせいか。せっかくの物語なのに、私には合わなかったようだ。2016/04/07

nyanco

26
山の麓に暮らす老夫婦、何故ここに住み、山に入る人達に一時の休息の場を与えるという仕事をしているのか。薄皮を剥ぐように少しずつ彼らの過去について描かれていきます。山に訪れた少女と共に、山に入ることを決めた老夫婦。テーマがテーマなだけに非常に重たい作品でした。あさのさんはやはり巧い。何気ない文章の端々に燦めきがあり、重苦しい作品に柔らかい光を与えてくれます。老夫婦の倹しい暮らしや、山の自然の描写もとても良い。子犬「たまゆら」の小さなエピソードにも本当にあさのさんらしい巧さがありました。続→2011/06/12

☆エンジェルよじ☆

25
老夫婦が人と山の境界に何故暮らしているのかわからなかった。物語の中で語られる凄惨な過去。人が持っている業や情、執念懺悔等を山とその麓で暮らす老夫婦に変えて描かれているんだと感じた。『たまゆら』という言葉の意味を仔犬のエピソードで伝えるあさのさんって「すごい」と思った(単に私が知らなかっただけなんだけど)日本語って綺麗だな。図書館で勧めてくれた方ありがとう。2011/10/05

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