内容説明
あたしはごくありふれたOLだった。夕暮れの横断歩道で、ひとりの男の子に出会うまで。融解する時間、崩壊する日常、そして―「ママ」となったあたしの、新しい世界がはじまる。最速・最強の東京湾奇譚、ついに降臨。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
耳クソ
16
おねショタで東京湾で天皇でゴーストで最高の小説であり、読むと言葉を失う。失ったさきの言葉を私は信じる。2021/09/07
里馬
9
フルカワの物語は疾走する。なにかから逃げるかの様に。フルカワの文章は失踪する。読者の手から零れ落つかの様に。僕は、けれど、追いつきたいと希う。掴み取りたいと思う。 僕にとって、彼は、塩水だ。読めば、読むほど、渇いてしまう。もっと、もっと、もっともっと。2010/07/30
7a
4
姉の死によりなくなってしまった叔母となるはずだった未来、代わりに得たのは記憶を失っていると思われる少年。その日から「あたし」はママに。見たままを全て自分に取り込み世界を形作っていくカリヲ、ホームレスの自称明治天皇。目まぐるしい描写の中で、飛び降り自殺、外来生物の繁殖、コンクリート詰めの死体、宅配業者を装った強盗事件など、現代がちりばめられている。でも、ここにあるのはただ、スピード。2012/03/04
別所 吠二郎
3
クセがすごいw「さあ、お前は何を感じることができる?」と読了後に作者からとい詰められる感じがいい2017/03/30
メルコ
3
擬似母子が自称明治天皇と犬のヒロブミに出会い交流する。「ハル×3」に続いて読んでみた。ちょっと食傷気味になり、リズムに乗り切れなかった。2013/08/29