内容説明
毎年の最高傑作短篇に授賞される川端文学賞の25年。その全作品と選評。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひねもすのたり
9
角田光代さんがもらって一番うれしかった賞は川端康成文学賞と言っていたので読んでみました。 本書には87年~98年の受賞作16篇が収められています。 川端賞の対象は短篇小説としか規定されていませんが、受賞作を読む限りでは純文学よりです。 その点では芥川賞と似通っていますが、大きく異なるのは候補になる作家はいずれもベテランの手だれだということです。 どの作品も珠玉のひとことに尽きます。 印象の残ったのは『みのむし』三浦哲郎、 『「アポジ」を踏む』小田実、 『望潮』村田喜代子。 巻末の選評も面白く読みました。2015/03/21
踊る猫
3
日本文学/純文学もようやく「戦争」のトラウマから吹っ切れて、「私小説」の持つウェットな情感に頼るのではなくもっと実験的なことを行うところにまで時代は変わったのだな……そう思わせられる一冊だった。不勉強にして丸谷才一の「樹影譚」は読んだことがなかったので、読んでその造りの精巧なことに息を呑んでしまった。古めかしい作家だとばかり思っていた自分の偏見を恥じさせられたのだった。後は個人的な好みで言えば筒井康隆「ヨッパ谷への降下」も素晴らしい。ここは是非第三巻も刊行して貰いたいところなのだが、無理なのだろうか……?2016/03/29
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
2
処分のため、過去在庫登録月間。いろんな文学賞あるけど、川端康成文学賞の受賞作品に好きなものが多かったなー。2017/06/28