累犯障害者―獄の中の不条理

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103029311
  • NDC分類 368.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

この世には、刑務所しか居場所がない人々がいる──。障害者の起こした事件の現場を、服役体験を持つ元国会議員が訪ね歩いた「究極の不条理」の記録。

内容説明

「これまで生きてきたなかで、ここが一番暮らしやすかった…」逮捕された元国会議員は、刑務所でそうつぶやく障害者の姿に衝撃を受けた。獄中での経験を胸に、「障害者が起こした事件」の現場を訪ね歩く著者は、「ろうあ者だけの暴力団」「親子で売春婦の知的障害者」「障害者一家による障害者の監禁致死事件」など、驚くべき事実を次々とあぶり出す。現代日本の「究極の不条理」を描く問題作。

目次

序章 安住の地は刑務所だった―下関駅放火事件
第1章 レッサーパンダ帽の男―浅草・女子短大生刺殺事件
第2章 障害者を食い物にする人々―宇都宮・誤認逮捕事件
第3章 生きがいはセックス―売春する知的障害女性たち
第4章 閉鎖社会の犯罪―浜松・ろうあ者不倫殺人事件
第5章 ろうあ者暴力団―「仲間」を狙いうちする障害者たち
終章 行き着く先はどこに―福祉・刑務所・裁判所の問題点

著者等紹介

山本譲司[ヤマモトジョウジ]
1962年北海道生まれ、佐賀県育ち。早稲田大学教育学部卒。菅直人代議士の公設秘書、都議会議員2期を経て、96年に衆議院議員に当選。2期目の当選を果たした2000年の9月、政策秘書給与の流用事件を起こし、01年2月に実刑判決を受ける。433日に及んだ獄中での生活を『獄窓記』(ポプラ社)として著す。同書は04年、第3回「新潮ドキュメント賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kinkin

74
最初の下関放火事件や浅草女子大生殺害事件の章を読んで、犯罪に至った経緯や再犯する事情が深刻なことを知った。犯罪を犯したことは当然罰せられると思う。しかし法治国家においては正しく検証する必要はおおいにあると感じた。行き先がないから刑務所に戻りたいがための犯罪は近年高齢者に多いと聞いたことがある。ほんとうに行き先がなかったのか行政が犯罪を重ねることを防ぐことが出来なかったのかを考えさせられた。全般を通して実際に刑に服してこそ知ることも多いと思う。刑務所の中の闇はまだまだ深いのだろう。 2016/05/28

かのこ

59
仕事関係のお知り合いに教えていただいた本。「刑務所に戻りたかったから火をつけたー」自由も尊厳もない刑務所内を、安住の地とし、罪を重ねる人達。「障害者」と「犯罪」というメディアでもタブー視されがちな問題へ切り込んだノンフィクション。 だから、どうすれば、と言えない根深い問題を扱った作品。想像力を少し働かせれば、こんな問題が引き起こされていることは容易に想像できるけど、普段の私たちは、社会は、いかに問題から目をそらしているのかを突きつけられた気がした。第三章のラストの言葉がひときわ重く印象に残る。2017/11/23

みゆ

57
刑務所入所を繰り返す障害者たちのルポルタージュ。少年犯罪や刑法39条(心神喪失者・耗弱者の責任能力)が気になっていたので読んでみた。作者は詐欺で実刑を受けた元国会議員。「外は怖い、刑務所に戻りたかった」と放火を繰り返す受刑者に「長生きして、また外に出ましょうね」と声をかけ涙ぐんだと良い人ぶる姿に感じる欺瞞。がんばって読み進めてみたが耐えられなくなり途中投了。自分には合いませんでした。2018/08/16

ゆみきーにゃ

36
《購入》こんなことが日本で頻繁に起きてるなんて全く知らなかった。塀の中に戻りたいから罪を犯す。こんな日本、マスコミは全く伝えない。多くの人に日本の実情を知ってもらいたい。2013/08/29

おいしゃん

34
判断能力が乏しいため、犯罪者となってしまった知的障害者たち。出所しても行き場はなく、ホームレスかヤクザか閉鎖病棟か、はたまた自殺か。結局は塀の中が一番守られるという不条理を描くルポ。彼らにとって何が幸せなのかと、考えずにはいられない。2022/02/24

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