「リベラル保守」宣言

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  • サイズ B6判/ページ数 207p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103027522
  • NDC分類 311.4
  • Cコード C0031

出版社内容情報

真の保守とは何か――。世にはびこる“俗流保守”と訣別し、「リベラル保守」という新しい立場から原発・橋下徹・格差などを論じる。

「左翼は嫌い。けれど、今の保守はもっと支持できない」と嘆くあなたへ――。保守の概念が揺らいでいる。「憲法改正」を叫ぶだけが、「あの戦争」を肯定するだけが、保守なのか――。否。それは「反左翼の“俗流保守”」に過ぎない。真の保守思想は、自由を積極的に擁護し、その源流にはリベラルなマインドが宿る。「リベラル保守」という新たな立場から、この国のあるべき「思想のかたち」を探る意欲的論考。

内容説明

「保守vs.リベラル」という不毛な対立を解体し、この国のあるべき「思想のかたち」を探る意欲的論考。

目次

序章 「リベラル保守」宣言
第1章 保守のエッセンス
第2章 脱原発の理由
第3章 橋下徹・日本維新の会への懐疑
第4章 貧困問題とコミュニティ
第5章 「大東亜戦争」への違和
第6章 東日本大震災の教訓―トポスを取り戻せ
第7章 徴兵制反対の理由
第8章 保守にとってナショナリズムとは何か

著者等紹介

中島岳志[ナカジマタケシ]
1975年、大阪府生まれ。北海道大学公共政策大学院准教授。大阪外国語大学でヒンディー語を専攻。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。専門は南アジア地域研究、近代思想史。2005年、『中村屋のボース』で、大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

21
保守思想こそ真のリベラルマインドを基にしているという著者による保守の根本とその実践。チェスタトンや福田恆在を引き、人間の不完全性と理性の懐疑に立脚した保守思想の核心を分かりやすく書いた第一章が素晴らしく、ややひねった書名とは裏腹に数少ない保守思想入門としてスタンダードな出来映え。それを土台にした時評は脱原発、反貧困を目指し大東亜戦争批判と保守のイメージとは異なる主張を選んでいるが、論拠自体は概ね保守的な思考を元にしている。一章のよさと比べると、無難さとレトリック依存が多い気もする2014/07/07

Gatsby

21
率直なところ、保守という言葉を聞くだけで、なんとなく抵抗感を持っていた自分であったが、雑誌のSIGHTや、『脱グローバル論』において、著者の考え方に興味を持って読んでみた。人間の理性には限界があると考え、それよりも長らく続いてきた伝統とか慣習、宗教といったものを重んじる考え方が保守の本流とする考え方である。リベラル保守という言葉に引っ張られて読んでみた本であり、そこに違和感を覚えたわけであるが、読み進めるうちに、自分の思考の枠組みを揺さぶられるところがあった。たまにはこういう読書も必要か。2013/09/30

きいち

16
正直、結構戸惑っている。◇どんなに優秀な個人が真摯に精力を注いで考えたことでも、それが誤りがないなんて原理的にあり得ない、だから伝統もこれまでの成行きも尊重しつつ、多様なつながりと社会的包摂で土台を作り、対話と妥協を繰り返し少しずつ前へ。それは自分がこれまで手塚治虫や宮本常一から学んできたことだったのだが、まさかそれが保守、だとは。西部高坂をよいと思ったことも、保守を標榜する候補者に投票したこともないのに。◇そうか、固定観念外しがこの本の目的、私については成功したってことだな。逆側の人もいるということか。2013/09/26

入道雲

8
2013年の書だが、それから9年経って読んだ訳だが、勘違いした保守派とそれを持ち上げている人、そして、知らずに白紙委任している有権者の構造は深く複雑に拡がり、今に至っている。今年ニュースになった人が本書でも登場していて、続編期待。もしかして既に有るか?2022/08/24

Hira S

8
まだうまく感想をまとめられないが、ここ数年ずっと感じている自己中心的で他者に不寛容な社会への違和感が少し理解できた気がする。/「神なき時代の人間中心主義」が人間の能力への過信を助長し、結果的に社会秩序の破壊を生み出すのだと論じました/我々は苦しみから逃れるために享楽、暴力、断言にすり寄ってはなりません2020/07/02

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