偏路

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  • サイズ B6判/ページ数 159p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103017738
  • NDC分類 912.6
  • Cコード C0093

内容説明

東京で女優になる夢を諦めようとする娘と、どこまでも暴走する父(おとん)が、親戚宅で繰り広げるスリリングかつハートウォーミングな一週間。小説『グ、ア、ム』と対をなす、劇作家・本谷有希子の“善意”に満ちた最新戯曲。

著者等紹介

本谷有希子[モトヤユキコ]
1979年石川県生まれ。高校卒業後上京し、2000年「劇団、本谷有希子」を旗揚げ、主宰として作・演出を手掛ける。小説家としても活動を開始し、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」で三島由紀夫賞候補、「生きてるだけで、愛。」で同賞および芥川賞候補となる。2006年上演の戯曲「遭難、」で鶴屋南北戯曲賞を最年少で受賞。映画「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」は2007年にカンヌ国際映画祭批評家週間に正式出品された。そのほか、雑誌でのエッセイ執筆など、多方面で活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あも

72
戯曲。"遍"でなく"偏"路。上京して劇団員として活動していた木多若月が帰郷し、父・宗生との会話を中心とした話。「お父さん、私、都落ちしたいの」と夢破れた若月は父に告げる。それを聞いて激怒する宗生。お前が東京に行くために家族がどれだけ犠牲になったかと滔々と語り出す。主な犠牲は外食を出来なくなった事らしい笑。とにかくこの父親が強烈というか何と言うか、まあ変人で色々かき回す…。本谷氏の作品にしては毒は少なめ。本編より、巻末に収録された実父との対談がナイス。会話の噛みあってない感が作中の父娘そのままで大いに笑う。2011/11/21

YM

55
本谷本13冊目。戯曲です。ベースはいつものもっちん節が炸裂してるけど、ここまでポジティブな話も初めて!役者を目指して上京するも、挫折して田舎に帰ろうかな、でも田舎ってグロテスクだしなってお話。本書は巻末のもっちん親子対談がおもしろい。親父の考えることは変。僕も地方から東京に来たので、重なる部分が結構あった。こっちきて6年。やりたかったことやってるけど、朝から終電近くまで仕事して、この間に祖父母を亡くして、たまにすごい虚しくなって。いい感じに、センチメンタルに浸っとります。2014/11/16

亜希

30
<東京で女優になる夢を諦めようとする娘と、とことん暴走する父(おとん)が親戚宅で繰り広げる、スリリングかつハートウォーミングな一週間> 小説ではなく戯曲。戯曲は初めて読みましたが、リズムにのれれば面白い。一気読みがお勧め。地方出身者の東京に対する希望や挫折、田舎に対する苛々や鬱屈がリアルだけれど、ポップな台詞とリズムの良さで最後までうんざりせず気楽に読めました。登場人物みな面白い。サティとか手作りのテディベアとか確かにダサい。巻末の本谷家リアル父娘対談も短いながらも面白かったです。この父にしてこの娘あり。2016/02/25

てふてふこ

18
田舎のアットホームな家庭を軽視し「人としてつまらな過ぎる」とか言っちゃう主人公。酷いけど、登場人物達の本音曝け出すシーンはむしろ痛快でした。父宗生はいきなり切れる事が無ければ結構良い親父なんだけど・・・ぶち切れはやっぱ致命的かな。面白かったです。2014/11/19

野のこ

13
伯母の揉み揉みした生ぬるいみかん、冷蔵庫の中に通帳をしまったり、無職なのにスーツな従兄弟、何故か居間でテントを張って寝る父、どこか変な田舎一家がリズミカルに展開される戯曲に一気読みでした。また、本谷家父娘の対談のインパクトもすごかったです。教科書を二階の窓から投げたり、授業道具を土に埋めたりと、父の爆走っぷりに、これは娘は強くなるわ!と思いました。父の「やりたい事は失敗しても構わないからやれ」と言い切るのは頼もしい。が、後日談には笑。あぁ 楽しかったです。未だにサティとたまに言ってしまう私も田舎くさいな。2017/01/10

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