新潮文庫<br> 幻影の書

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新潮文庫
幻影の書

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  • サイズ 文庫判/ページ数 429p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102451144
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

その男は死んでいたはずだった―。何十年も前、忽然と映画界から姿を消した監督にして俳優のヘクター・マン。その妻からの手紙に「私」はとまどう。自身の妻子を飛行機事故で喪い、絶望の淵にあった「私」を救った無声映画こそが彼の作品だったのだから…。ヘクターは果たして生きているのか。そして、彼が消し去ろうとしている作品とは。深い感動を呼ぶ、著者の新たなる代表作。

著者等紹介

オースター,ポール[オースター,ポール][Auster,Paul]
1947年生れ。コロンビア大学卒業後、数年間各地を放浪する。’70年代は主に詩や評論、翻訳に創作意欲を注いできたが、’85年から’86年にかけて、『ガラスの街』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』の、いわゆる「ニューヨーク三部作」を発表し、一躍現代アメリカ文学の旗手として脚光を浴びた

柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年、東京生れ。東京大学教授。アメリカ文学専攻。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞受賞。『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞受賞。アメリカ現代作家を精力的に翻訳するほか、著書も多数。文芸誌「モンキービジネス」の責任編集を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

市太郎

62
訳者の言葉を借りるのではないがこの小説は本筋の他に別の作品が盛り込まれている作品内作品の秀作。無声映画とそれを作ったヘクターという男性の人生の物語がこの小説には含まれる。実はこの本自体、幻影で語り手の創造ではないかと疑った。だってこの主人公の人生は上手く出来すぎているし、偶然が重なりすぎている。(この話には続きがあるように感じたのは「写字室のなかの旅」というタイトルがあったからだろうか)ともかくこのオースター的な無声映画も幻影の書である。そしてこれは生と死の狭間に自分を救う手がかりを見つける為の書である。2014/03/24

えりか

60
絶望からの再生。突如として姿を消した無声映画俳優の人生と、それを追うジンマーの人生が重なりあう。また幾つもの偶然がもたらすジンマーとアルマの運命。互いの絶望が共鳴しあう。そして随所に挿入される暗示めいた作中作。悲しみの連続であるにも関わらず、どこか心地の良い陶酔を覚える。惑わされているよう。主要な登場人物の全てが大切なものを失い、絶望し、諦め、もがいている。人の悲しみは完全に癒えることはないのかもしれない。深い悲しみと絶望、そして虚無。それでも最後の希望を思い、静かな感動をもって本を閉じる。2017/05/03

ウッディ

59
飛行機事故で妻と二人の子供を亡くした大学教授のジンマーは、絶望の中で一本の喜劇映画と出会い救われる。その主役兼監督として10本の映画を残し、忽然と姿を消したヘクター・マン。彼の研究に打ち込むことで、生きる目標を取り戻したジンマーの元に、ヘクターの妻と名乗る女性からの手紙が届く。ヘクターが残した映画が魅力的で、現実にあるなら観てみたいと思わせ、彼の失踪の謎と辿った軌跡もドラマチックで、本当に面白かった。失踪後に彼が撮った映画「マーティン・フロストの内なる生」が難解で、自分の理解が及ばなかったのが少し残念。2024/02/26

こばまり

55
設定はエキセントリック乍ら普遍的なテーマと綿密な描写の為、只ならぬ実体感を持って物語が迫り、読んでいるという行為を忘れる程に没入。自分に纏わる全てが、自分という存在を含めやがて無になるという事実を、恐ろしいような不思議なような心許ない気分でぽかんと思う。2016/06/10

mizuki

53
幾重にも重なる物語、ラストの衝撃にやっと涙を流すことができました。それぞれの追い込まれた状況を推し量ることしかできないけれど、苦しみと共に生きてきた登場人物たちのことを考えると、とても苦しいです。生きることはなんて辛く悲しいことばかりなんだろう。その中でも、唯一恋した記憶はふわふわと優しい空気をまとってくれるが、それも永遠ではない。だからこそ、儚く美しいものをわたしたちは大切にしなくてはいけないのではないか⁇ 人は他者と繋がることでしか生きる意味を見出せないのではないか⁇ オースターの作品は今回も重かった2018/06/20

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