内容説明
ノルマンディー上陸作戦当日―。300万人の兵士と6000隻の艦艇、そしてヨーロッパの運命がこの日の天候にかかっていた。連合軍の科学者たちは上陸5日前に当日の正しい天候を割り出すよう命じられる。しかし、そんなに先の天候を予測することは可能なのか?予測に大きな影響を与える大気の乱気流。その謎に科学者らは初めて挑むが…。ウィットブレッド賞受賞作家の渾身作。
著者等紹介
フォーデン,ジャイルズ[フォーデン,ジャイルズ][Foden,Giles]
1967年イギリス、ウォリックシャー生れ。5歳で父親の仕事のために家族とアフリカへ。マラウイ、ナイジェリア、タンザニア、エチオピア、ウガンダと移り住んだ後、帰国。ケンブリッジ大学を卒業後「タイムズ文芸付録」に勤務。「ガーディアン」紙の文芸局副編集長として働きながら執筆した『スコットランドの黒い王様』でデビューし、’98年度ウィットブレッド賞処女長編小説賞を受賞。現在はノーフォークに在住
村上和久[ムラカミカズヒサ]
1962年札幌市生れ。早稲田大学第一文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ほしいもアボカド
1
~気象は移り気な点で人と同じであるが罪はない。2016/12/02
うたまる
0
「何もかもがふくれ上がり、散らばって、また起きるかと思えば二度と起きない……思考の一つ一つ、雪の一粒一粒がべつべつで、独自の個性を持っている間は、それぞれが無数に変化する同じ環境に運ばれていくからだ」……全体がこのような衒学的叙述、形而上学的比喩に満ち溢れているため、呆れるほど読みにくい。まさに英国風過剰修飾の賜物。物語が動き出すあたりからましになったように感じたが、単にこのスタイルに慣れただけかも。乱気流についてはさっぱりだったが、”預言者”ライマンと”奇才”パイクとの会話はキレキレで面白い。2012/07/24
tegi
0
独自の気象解析法を編み出しながら、平和主義ゆえに軍部への協力を拒む科学者からその秘密を聞き出す――という国内諜報のプロットは、胸踊ると同時に、この状況なら国家は多少の無茶な手段を使ってでも協力させるのでは..とも思ってしまう。ま、科学者の回想譚という体裁をとって、そのへんののどかさも「味」にしているのですが。科学者の妄想する、六万四千人の計算者によって気象をモニターし予測する、アナログな地球シミュレータのようなアイディアがおもしろい。『ディファレンス・エンジン』みたいだ。2012/04/29
tom
0
取りあえず上巻を読了。面白いテーマではあるものの,まだ序章。下巻を買うべきかどうか,ちょっと思案。年末になり,積ん読本を始末しなければならないので,忙しい。2010/12/30
onepei
0
物語はおだやかなものです。2010/11/29