新潮文庫
砂漠の狐を狩れ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 493p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784102172315
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

その部隊の任務は、独の英雄ロンメル元帥の殺害だった―。1942年、英国陸軍に志願した若き青年が北アフリカの地に降りたつ。大学をやめ、愛する女性を残し、希望に燃えて。配属先は長距離砂漠挺身隊。大海同様の航法術で広大な砂漠を走破し、積荷や燃料補給の失敗ひとつが死を招く。実在した特殊部隊の知られざる作戦を辿り、ひとりの青年の青春と成長を描いた正統派戦争冒険小説。

著者等紹介

プレスフィールド,スティーヴン[プレスフィールド,スティーヴン][Pressfield,Steven]
1943年トリニダード・トバゴ生れ。’65年、デューク大学を卒業後、コピーライター、学校の教師、トラックの運転手、バーテンダーなどさまざまな仕事をこなしながら作家を目指す。’95年に『バガー・ヴァンスの伝説』でデビュー。その後は歴史小説作家として活躍

村上和久[ムラカミカズヒサ]
1962年札幌市生れ。早稲田大学第一文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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absinthe

148
凡百のB級かと思っていたが、読み進めるととんでもない名作にあたった事に気づいた。砂漠の猛暑と酷寒、機械の故障。英雄的行動は少なく移動と故障の連続で、戦場の本当の様子が見事に描写される。愚かしくも一途に任務に掛ける思い。冷静に考えてみれば途方もない無意味さ。こんな砂漠が欲しくて戦っているわけではない。国家は恐ろしいまでの資源と人材を投入してこの砂漠で戦った。戦場に英雄は居ない。そう言っているようにも読めた。ロンメル将軍も登場する。2015/11/25

紅はこべ

86
イギリス人は戦場にも紅茶を持参するのね。戦記物って得意じゃないので、読みにくかったけど、何とか読破。同じ第二次世界大戦でも、日本軍の戦いとはえらい違いだ。大陸と島、砂漠と密林の差か。語り手がパブリックスクール、オックスフォード卒のせいか、戦争というよりスポーツ感覚で戦地に臨んでいる印象を受けた。フェアプレイ精神で戦おうとしている。まさにイギリス人お得意の狐狩り?相手がロンメルだからこそ成立したんだけど。でもイタリア軍部隊の殲滅させたことによって、そんな綺麗事じゃ済まないことが主人公の身に沁みることになる。2016/11/25

たぬきオヤジ

21
長距離砂漠挺身隊の活躍を描いた戦場の冒険小説。実在の将軍”砂漠の狐”ロンメルが登場する。ロンメル将軍を討つべく組織された舞台だが、砂漠は過酷。闘う相手は敵ばかりではない。モラルの下がりがちな戦場での、ロンメル将軍の騎士道精神には心打たれる。2020/10/27

すけきよ

7
イギリス特殊部隊による、ロンメル暗殺作戦の物語。物語は戦闘シーンよりも、砂漠→故障→燃料→砂漠……のループで、灼熱の地獄で生き残っていくために自ずと人間の内面に向かっていく。長距離砂漠挺身隊が上官も部下も区別なく働き、また、ドイツも陣営が異なっただけで、個人としてはけっして憎んでおらず、極限状態の中、人としての尊厳、誇りを持ち続けることによって、生を許されていく。おそらく、そのイコン的な人物がロンメルなんだろうね。文章は淡々としているけど、その根っこにはやはり『炎の門』と同じく燃え描写が潜んでいる(笑)2009/04/07

Cornelius

6
第二次大戦の英国 長距離砂漠挺身隊(LongRenge Desert Group)の様子が描かれているということだけでも貴重だと感じた。 2012/01/07

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