新潮文庫
生きるための自殺学

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 495,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784102166512
  • NDC分類 145.7
  • Cコード C0111

内容説明

人はなぜ自殺するのか。人生に絶望して?そうではない。大半は心に病を抱え、その病こそが人を死へと駆り立てるのだ―。名門大学医学部教授で全米屈指の臨床心理学者が、自殺衝動と闘い続けた経験を元に解説する自殺の歴史、各国文化の比較、芥川を含む遺書の研究から報道の影響、各科学分野の最新成果まで。自殺はどうすれば防げるのか?現代人必読。

目次

1 自殺を理解するために(死はすぐそこに―自殺の歴史とその全体像;心の騒乱の測る―自殺とは何か)
2 自殺の心理と精神病理(照明を下ろし、明かりを消そう―自殺の心理;絶望という名の重荷―精神病理と自殺 ほか)
3 自殺の生物学(水底深く―遺伝学的・進化論的全体像;人間という生物―神経生物学と神経病理学)
4 自殺を防止するには(控えめな魔法の力―治療と予防;社会として―公衆衛生 ほか)

著者等紹介

ジャミソン,ケイ[ジャミソン,ケイ][Jamison,Kay Redfield]
1946年生れ。ジョンズ・ホプキンズ大学医学部精神科教授。UCLA感情障害クリニック前所長。’95年、躁うつ病患者としての自らの半生と研究・臨床生活をつづった『躁うつ病を生きる』(新曜社)がベストセラーに。「全米ベストドクターズ」に選ばれ、アメリカ自殺防止財団研究賞のほか受賞多数。スコットランドのセント・アンドリューズ大学英文学名誉教授でもある。全米有数の臨床心理学者

亀井よし子[カメイヨシコ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mana

42
客観的に自分を知れたらいいなと思い、読んでみた。専門的な内容で、ボリュームがすごい…。精神医学や心理学的観点からはもちろん、生物学や遺伝学、歴史的な自殺の流れなど、興味深いデータがたくさん。一度読んだだけでは嚙み砕ききれない部分もあるので、再読もアリだな。「人」に携わる仕事に就いている人…特に教員や支援員に、斜め読みでいいからぜひ読んでほしい本。2022/05/31

NICK

9
自殺についての歴史的、心理学的、生物学的、その他多くの分野による考察がこの上なく詰め込まれた、自殺を考える上で恐らく最良の書。全ての自殺志願者に一読を薦めたい。キルケゴールは絶望を死に至る病だと言ったが、しかし自殺の心理は多くの場合うつ病や統合失調症といった精神疾患によってもたらされてしまうようだ。またそうした疾患も進化論的、遺伝学的に人間に備わっているという事実も恐ろしい。思うに、人間は人間が思う以上フラジャイルな生物なのではないか。人間は自ら死を選んでしまう脆さを孕んでいるのだ。2014/02/20

Miss.W.Shadow

6
「何よりもこたえたのは、わたしたちの社会が、生に終止符を打ちたいと思うほど深い絶望に落ちこんだ人々の命を救うことに、いかに価値を置いていないかを知ったことだった。」タブー視されがちな問題だからこそ、看過せず社会的なアクションをという作者の強いメッセージが伝わってくる。文学・生物学・心理学・精神分析学・臨床医学などさまざまなアプローチで網羅的に、丁寧に自殺を解き明かす良書。自殺者が男子に多いのは精神障害に伴う衝動が攻撃的になりやすく自殺の成功率が高い、など参考になった。2011/06/24

紙魚

4
生きるのが楽しくて仕方ない人も、どうかあなたの感性の及ばぬ心理のあることを知ってください

国重

3
自殺者が多いのは春から夏にかけてというのは意外であった2016/01/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1282
  • ご注意事項