出版社内容情報
ずば抜けた商才と頑張りで社会の底辺からのし上がったアベルは、全米に拡がるホテル・チェーンを作りあげた。一方、出世コースを突き進むケインは、その確かな判断力を認められて大銀行頭取の地位をつかんだ。ホテル王と銀行家、ポーランド移民と名門出のエリート――いずれも典型的といえるふたりのアメリカ人の、皮肉な出会いと成功を通して、20世紀のアメリカ史が甦る大ロマン。
内容説明
ずば抜けた商才と頑張りで社会の底辺からのし上がったアベルは、全米に拡がるホテル・チェーンを作りあげた。一方、出世コースを突き進むケインは、その確かな判断力を認められて大銀行頭取の地位をつかんだ。ホテル王と銀行家、ポーランド移民と名門出のエリート―いずれも典型的といえるふたりのアメリカ人の、皮肉な出会いと成功を通して、20世紀のアメリカ史が甦る大ロマン。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
95
「運命は勇者に微笑む」—アベル(ヴワデグより改名)の経営するホテルへの融資をウィリアムが拒絶し、子供同士の駆け落ちもあって両者の対立は深まっていく。移民流入や大恐慌、二つの大戦など、アメリカの政治や時代の変遷を巧みに盛り込んでいるのは著者の強みだろう。融資絡みの駆け引きも得意なようで、やや冗長だが力が入っている。アベルの母親との再会エピソードも良い場面だが、真実が語られる最後の手紙こそ骨太な本作を締め括るのに相応しいクライマックス。書き手のフェアな精神と懐の深さを感じさせると共に切ない余韻を残していく。2019/03/28
Willie the Wildcat
90
誕生日と幼少時の肉親の喪失、そして社会的成功という共通項。生い立ちの対照性が齎す対峙が、悲しき運命の悪戯に繋がる感。能力主義の主人公たちを鑑みると、”後援者”は自ずと予測される。故に、両者それぞれが踏み出した”一歩”が、何とも歯がゆい。一方”四度目”の遭遇は、もれなく救いであると同時に敬意である。読後、右腕の存在の意義と、スジを通すことの意義を再考させられた。アランとマシュー、それぞれが存命であれば、主人公たちも違った道を歩んだと信じる。但し、結果の良し悪しは別問題。これも人生の綾であり、面白味と解釈。2020/12/31
at-sushi@ナートゥをご存知か?
77
第二次大戦を通じて真の友になり得たかもしれない二人の運命は交わることなく、子供達の恋が火に油を注ぎ、ついに互いの社会的地位を脅かすカードを切り合う。 切なさの残るラストまで一気読み。通俗小説の醍醐味を堪能させていただきました。 それにしても、著者の経歴が小説以上に波乱万丈過ぎw こりゃ他の作品も読むしかないわ。2021/01/31
びす男
65
プライドや野心のぶつかり合いのなかで、人の良心や家族のかけがえのなさも際立つ素晴らしいストーリーだった。下地はシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」かな。アメリカの歴史や財界のスリルも見事に織り交ぜ、読者を飽きさせない大長編。やはりジェフリー・アーチャーは面白い。2016/05/11
優希
60
それぞれ大企業へのコースを歩む2人。それぞれの物語を読んでいるような気分になりました。2人の最後はどうなるか気になりますね。2021/07/17