新潮文庫
自閉症だったわたしへ〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 587p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102156131
  • NDC分類 936
  • Cコード C0198

内容説明

大人になったドナが魅かれた青年イアン。彼もまたドナと同じ苦しみを抱えて生きていた。それまで「わたし」に強くこだわっていた二人が、初めて「わたしたち」というユニットを発見した奇蹟のような瞬間―。けれども愛は魅力的であると同時に未知の恐怖でもあった。困難に直面しながら、「自分らしくあること」と「他者と共に生きること」を真摯に求め続けた二人の記憶。

目次

内なる子ども
自閉症の人たち
恋をしているのね
ふたりの距離
仮面のキャラクター
強迫観念と儀式的行動
ぼくの手にさわってごらん
本当の自分として
見知らぬ人
ごめんよヘンリー〔ほか〕

著者等紹介

ウィリアムズ,ドナ[ウィリアムズ,ドナ][Williams,Donna]
1963年、オーストラリア生れ。幼い頃からの記憶を綴った『NOBODY NOWHERE』(『自閉症だったわたしへ』)を’92年に発表。世界で初めて自閉症者の精神世界を内側から描いた同書は、十数カ国語に翻訳されて世界的ベストセラーとなった。’94年には続編の『SOMEBODY SOMEWHERE』(『自閉症だったわたしへ2』)を発表。イギリス在住

河野万里子[コウノマリコ]
1959年生れ。上智大学外国語学部フランス語科卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAKAPO

27
自閉症だった著者が、自分自身の人生を振り返り、そこで起こったことを赤裸々に綴っている。専門家の研究成果ではなく、自分のための記録は、読者一人ひとりに自分自身の過去を振り返らせる力がある。2023/10/19

イプシロン

25
本当の感動とか尊敬というものは言葉にして語ることはできない。読み終えて立ちのぼってくるのはそういうものだけ。これは小説ではなく自伝――生きた証――なのだから。自分と戦って勝つ。広大無辺な宇宙にあって自分に勝利しえた人こそ比類なき栄冠を掴めるのだろう。というかエピローグはズルいよ。一瞬にして驚愕と悲しみにつつまれて涙が溢れた。人生とはなんとも過酷であると嘆息しつつ、それでも戦いつづけるドナに拍手と最敬礼したくなった。感想なんて虚しい。ただただ「ありがとう」という気持ちを空の向こうにいるドナに届けたいのだ。2016/12/20

eirianda

18
「本当の自分」を探し続けるドナとイアン。健常者も成長する過程で、場面に応じてキャラを変えそれが板についていくものだと思う。私らしく、ではなく、社会人らしく、親らしく、職業や趣味に合った仮面で振舞っている。服も見合うものを纏う。そしていつの間にか統合され自分となっていくのだ。高機能自閉症のドナとイアンは自身を守るために纏ってきた仮面を、闘うように、自分を分解するように脱ぎ捨てていくのだ! 私は怖くてできないな、と思いながらも、仮面の種類と数とどの場面に現れるかを考えるだけで、非常にためになる読書だと思った。2018/04/03

テト

7
再読。2017/01/10

CCC

6
自閉症一般の話と受け取るのは危ういけれど、一つの例と捉えるなら問題ないだろう。『本当』に対してのこだわりがとにかく強かった。しかしそれはそれとしてこのタイトルは何だろう。自閉症『だった』……って。元タイトルとは関係ないけれど、一巻の時から個人的にずっと気になっている。何を思ってこの邦題なのか、訳者にはちょっと説明して欲しい。2013/04/15

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