内容説明
発端は山形のホテルだった。借金返済のため一攫千金を狙う相葉時之は、手違いからテロリストに命を狙われる羽目に。絶体絶命の中、かつての級友・井ノ原悠と再会したことで、物語が動き出す―。蔵王・御釜が発生源とされる感染症「村上病」。同地に墜落したB29。そして、公開中止になった特撮映画。深まる謎と追走劇の果て、明かされる真相とは?書き下ろし短編を収録した新装版。
著者等紹介
阿部和重[アベカズシゲ]
1968(昭和43)年山形県生れ。’94(平成6)年『アメリカの夜』で、群像新人文学賞を受賞し、デビュー。’99年『無情の世界』で野間文芸新人賞を、2004年『シンセミア』で伊藤整文学賞と毎日出版文化賞を受賞。’05年『グランド・フィナーレ』で芥川賞を受賞した。’10年『ピストルズ』で谷崎潤一郎賞を受賞
伊坂幸太郎[イサカコウタロウ]
1971(昭和46)年千葉県生れ。2000(平成12)年『オーデュボンの祈り』で、新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。’04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞受賞。’08年『ゴールデンスランバー』で本屋大賞と山本周五郎賞を受賞。’14年『マリアビートル』で大学読書人大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mae.dat
252
長編1話+追加書き下ろしを含めた短編3話+著者2名による対談1話。メインは冒険活劇風なのかなぁ。阿部さんは初めましてで比較できないのですけど。相葉の飄々とした所や、メンターの暴力的な所等。節々にこれぞ伊坂ワールドだなぁと思いました。陰謀や謎が謎を呼ぶ展開、思い出を含めて、過去の記憶が何故かシンクロするストーリー等、その何故がどう言う風に解き明かされるのだろうかと楽しみに読む進める事になったんですけどね。行動原則とか不明確だったり、裏の設定はこんなもんじゃ無いだろうと、ちょっと消化不良気味。2024/04/20
owarai
64
「地球は狙われている!」侵略を企てる悪の組織。身も体もボロボロに、奴らと戦った戦士達。あの時、テレビに齧り付いていたあなた。時を経て、今、充実していますか。何かに打ち込み、一生懸命になってたあなた。あの時の経験が今、何も役に立ってねぇと嘆いてませんか。そんなあなたにも、きっと逆転のチャンスはあるはず。握った拳を高々と挙げる瞬間は、きっとあるはず。あの時、全身タイツだせぇ、あり得ねぇと斜に構え、彼らに興味を失ったあなた。そんなあなたに、この一冊。忘れてた熱い何か、あなたの心に呼び覚ましてくれるはず。2020/10/12
おつまみ
51
新装版が改めて読んだが、書き下ろしの短編があるのがいい。かつて読んだ本といっても、それだけで読む意欲が出る。2020/10/07
東谷くまみ
39
なんだかんだ言って最後は結局じーんとさせられちゃうんだもん。読み始めは、あコレ伊坂さん書いた方かな?とか考えながら読んでたけど、そんなのどうでも良くなってからの面白さよ!村上病を巡る謎、それを狙う悪者との駆け引きはもちろん、ぎくしゃくしていた二人の息が合い始め、あの頃最高最強の相棒だった相葉と井ノ原に戻っていくのがなんとも良いんだよなぁ。そしてやっぱりあの時のアレがこう繋がってあそこで出てきたコレがここで活躍するのね!?って伊坂マジックにニンマリ。クライマックスの緊迫感には足がゾワゾワ!あー面白かった!!2021/06/11
星野流人
39
とてもおもしろかったです。元同じ小学校の野球チームのチームメイトだったふたりが偶然再開し、とある水を巡る大冒険に巻き込まれるという物語です。物語が二転三転し度々ピンチが訪れ、そのたびに伏線を回収するように乗り越えていくさまはまさにヒーローのようでした。物語の最後の最後まで先の読めない展開で、「これ本当に終わるの?」「解決するの?」とハラハラしながらページをめくる手が止まりませんでした。細かな伏線回収やジョーク混じりの会話は読んでいてとても楽しいものでした。真面目と破天荒のタッグは燃えますね2021/01/04