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新潮文庫
日本仏教の可能性―現代思想としての冒険

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  • サイズ 文庫判/ページ数 245p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101489124
  • NDC分類 182.1
  • Cコード C0115

内容説明

ハイテク化が進む中で、日常が複雑になっている。体温がなくなった世の中で、人々は健全に生きることが難しく、心の置き場を見つけることができない。かつて生活とともにあった仏教は、いま、私たちにどのように関わり、道を示すことができるのだろうか。葬式、禅、死者―。生活に根付く仏教的なキーワードを取り上げ、新時代における意義と可能性を探るスリリングな連続講義。

目次

序章 現代に宗教を生きる
第1章 仏教の近代化とその問題点
第2章 死者とどう関わるか
第3章 神仏再考
第4章 禅の可能性
終章 倫理と超・倫理

著者等紹介

末木文美士[スエキフミヒコ]
1949(昭和24)年、山梨県甲府市生れ。’73年東京大学文学部印度哲学科卒。’78年東京大学大学院博士課程修了。東京大学名誉教授、国際日本文化研究センター教授。専門は仏教学、日本宗教史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

13
教学とかそういうのではなく、今現在生きた思想として仏教を問い直そうとしている。他者との関わり方とか死と死者の問題とか、非常に考えさせられる問題が多かった。ある意味行き詰まりを感じさせられるこんな時代だからこそ、宗教に出来る事があるのではないかと感じさせられる一方、答えの出ない問題ではないかという気さえさせられる。禅の思想や清沢満之の捉え方、エンゲイジド・ブディズム等教えられることも多い本であった。2012/03/06

マープル

5
講義口調の読みやすい文体でスイスイ読める。ところどころにオッと思わせる指摘が出てきてよい。解説の若松英輔氏がいうように著者は詩人哲学者なのだ。本当にその表現がしっくり来る。2013/12/30

半木 糺

5
戦後しばらく、「葬式仏教と化した日本仏教は宗教として堕落している」といった言説が流行した。しかし、「死」というものに寄り添い続けた日本仏教は現代にこそ必要とされている宗教的言説を語りえるのではないか、と著者は提案する。「死者」を「他者」として捉える著者の視点は非常に新鮮で刺激的である。西洋哲学とは又違う形での思想や宗教の形を識者や現場の僧は追及していくべきだろう。2013/05/04

西澤 隆

3
先日亡くなったウチが檀家になっているお寺の先代のご住職は、たとえば「葬式仏教」のこと、戒名の「松竹梅」のこと、そんな疑問点も含めていろんな話しに正面から向き合ってくれた人でした。でも、そういうお坊さんと遭遇することはなかなかなかったりもします。法話と現実との間の乖離。宗教は現実問題の解決方法である必要はないと思うけれど、解決に向かう人に寄り添う考え方のための学問である必要はある。ヘンな布教本ではなく、半分外から検証しようとする一冊。大谷大学等での講義をまとめたものだそうですが、なかなか刺激的でした。2012/06/10

釈聴音

3
この問いにいかに答えていけるかが、今の仏教に問われている。2012/03/07

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