新潮文庫
青いバラ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 634p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101482217
  • NDC分類 627.7
  • Cコード C0145

内容説明

青いバラは、「不可能の花」といわれつづけてきた幻の花だが、遺伝子組み換えによって、実現間近だという―。科学の進歩と人間の夢が結び合う、青いバラの創造。「青いバラ」の夢に憑かれた園芸家鈴木省三の熱情、バラの花市場の研究開発、科学者たちの論争…。バイオテクノロジー最新事情を網羅しつつ、人間の欲望と科学の未来が結びあうバラ作りの夢を追う渾身のノンフィクション。

著者等紹介

最相葉月[サイショウハズキ]
1963年、東京生れ。3歳から25歳まで神戸に住む。関西学院大学法学部法律学科卒業後、会社勤務を経てフリー編集者兼ライターとして独立。「季刊子ども学」(ベネッセ教育研究所)では、子どもの逸脱や消費文化、異文化コミュニケーション、震災などに関する雑誌づくりに携わる。この頃より科学技術と人間の関係性、スポーツ、教育などをテーマに執筆活動を開始。著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

16
久々に再読。星新一氏のバイオグラフィーでも感じたことですが、この方のリサーチ力、そして情報整理力は日本屈指だと思います。「青いバラ」への渇望、執念には圧倒されますが、これは花業界の裏を知れば知るほど見えてくる闘争の歴史でもあります。千葉に長く住んでいた人間からするとやっぱ京成バラ園びいきになってしまうんですがねえ。何度読んでも素晴らしい。2016/02/15

gonta19

4
2009/6/27~7/8 長らくの積読本を読了。 英英辞典には"blue rose" ="an impossibility"と記載される「青いバラ」について人類の挑戦の歴史が日本のバラ業界の大家鈴木省三氏を中心に語られる。実務家の鈴木氏に対し、学術的アプローチで迫る多くの研究者。また、バイオテクノロジーを武器に青いバラを商売にしようとする企業。それぞれの立場での「青いバラ」へのアプローチが綿密な調査、取材をもとに綴られる(巻末の参考文献の山はその証)。最相氏のデビュー作「絶対音感」で見せた抜群の切り口2009/07/08

綾なす落書き

2
『青いバラ』というタイトルだが、世界と日本の薔薇史、といった感じ。バラがどのような経緯を辿って青いバラに辿り着こうと試みるのか、科学と歴史の両面からアプローチしている。著作当時、アプローズは発表されていなかったので当然といえば当然だが、科学よりも人間寄りのお話。小説として面白かったか、と聞かれればノーである。それでも『青いバラ』の誕生を諸手を上げて喜んでる裏側には、サントリーの薔薇とは異なる、青いバラに魅せられた人と歴史があり、是非の論議もある。その点を知るだけでも意義はあると思う。2014/02/22

山猫

1
交配ではなく遺伝子組み換えによって生み出された青いバラに妻はデザイナーベビーのような危うさを感じていたらしい。 「ブルームーンやマダムヴィオラは好きだけど、アプローズは『ズル』って気がする」と。

dcm

1
それは単に花そのものに対するイメージに過ぎないのだけれど、花を仕事にしている人ってきっと穏やかでふわふわしたロマンチックな人なのだろうと勝手に思っていたんだと気付いた。この本に出てくるバラを巡る沢山の人々はむしろ新しいものを切り開いていく力強さに溢れている。長年追い求められている青いバラだからこそ世界中の色々な時代の非常に多くの人が関わっていてなんだか感慨深い。遺伝子を弄ることが良いことなのかどうか、簡単には答えが出ない問題だと思うけれど、私は青いバラもきれいだと思う。2014/12/05

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