新潮文庫
編集狂時代

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  • サイズ 文庫判/ページ数 471p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101480213
  • NDC分類 021.4
  • Cコード C0195

内容説明

名物編集者・松田哲夫ができるまで。印刷物マニアで映画好きのオタク少年が、漫画雑誌「ガロ」を知り、編集という仕事に出会って筑摩書房に入社。気になる書き手と本作りを企画してヒット作を連発、雑誌を創刊して挫折するが、その失敗がまた新たな企画に…。好きなことを仕事にしてきた男の爽快な半生記。面白いことを伝えたい―そのヨロコビが編集を知らない人にも伝わってくる。

目次

第1章 ぼくは、小学校低学年の頃から二十代なかばまで、ひたすら集めることに熱中してきた。
第2章 一九六五年秋、ぼくは高校三年生だった。ある日の昼休み、階段教室で、捨てられていた一冊のマンガ雑誌にであった。
第3章 そこは留置場だった。目の前にボンヤリ鉄格子が見えた。昨日あったことが走馬燈のように、次々と浮かんでは消えていった。
第4章 一部ゲラ刷りを貰い、それを持って飲み屋にいった。色校をチラチラ眺めながらのむ酒は、格別においしかった。
第5章 この社の仕事をはじめて九年、倒産を機に、「筑摩の人間として生きよう」と密かに決意したのだった。
第6章 そうしたある日、啓示のようにひらめいた。「そうか、外骨さんになっちゃえばいいんだ」
第7章 「頓智」での布石とその後の時間にはじめたことが、ぼくの編集者人生を大きく展開させることになったのだ。

著者等紹介

松田哲夫[マツダテツオ]
1947(昭和22)年東京生れ。編集者。エッセイスト。コメンテーター。学生時代に「ガロ」編集部でマンガ編集を学び、嘱託として筑摩書房の『現代漫画』を手伝う。大学を中退し、’70年に筑摩書房入社。浅田彰『逃走論』、赤瀬川原平ほか編『路上観察学入門』、『ちくま文学の森』、赤瀬川原平『老人力』など数々のベストセラーを生み出し、「ちくま文庫」を創刊する。筑摩書房専務取締役、編集部長。パブリッシングリンク社長。路上観察学会事務局長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あっきー

19
⭐4 学生の頃、周囲の先輩や同級生たちが面白いぜと読んでいたものを自分も読んだりした、その時の本や著者がこの本にゾロゾロ登場している、その頃の流行だったのかそれとも自分の周りに70年代と同じ空気が流れていたからか、自分は新しい考えだと思っていたが逆にチョット古い、だけど自由で貴重な雰囲気だったと言えるかもしれないなー 読んでみたい本は「ガロ」編集長、 路上観察学入門、外骨という人がいた、京都おもしろウォッチング、 東京百話〈天の巻〉、ちくま文学の森2021/06/12

ステビア

14
オタク少年がガロのお手伝いから筑摩書房役員になるまでの記録。楽しく読んだ。2020/04/09

しろ

7
☆6 このタイトルのまま映画化できそう。編集者の半生を描くというより、まさに松田哲夫という一人の人間を描いていた。高校生のころから現場で経験し、筑摩書房の編集者になってからも精力的な活動をみせ、「王様のブランチ」のコメンテーターやある企業のCEOにもなったりと、振り回されながらも成功をおさめていくのはどっかの主人公のよう。赤瀬川原平や南伸坊などの仲間とともにひたすら自分の「大好き」を「大好き」な形に、本にしていく。楽しんでやってるのがよく伝わってくる。宮武外骨という雑誌屋が妙に気になった。2012/03/08

KJ

4
編集とは出版に止まらない。選挙運動に会社経営に漬物まで。世の中の凡ゆる事象がメディアであり編集可能だ。即ちメディアの数だけ編集は存在する。メディアは乗り物であり遊び場。まず自分自身が楽しむという感性が編集者にとって重要だ。編集の要は人間。様々な人との出会いが様々な企画を生み出す。個性的で魅力的な作家との濃密な時間が編集者としての人格を形成していく。意図的に求めるのではなく自分の好きな事に対する集中力と誠実さが有れば波長の合う人とも巡り会える。好きな事を生業にして人生の道を切り拓く秘訣が詰まった一冊だった。2021/07/18

春雨

3
なにもかもがすごい。人脈も行動力も思考力も、なにもかも。2012/11/30

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