内容説明
人類の歴史は戦いの歴史。古代戦史からアフガンゲリラ、宇宙戦略まで、古今東西および最新の実例に見る戦闘・戦略の数々―。戦争の基本形に始まり兵器、軍編成、対テロ戦略など、軍事に関する全てを余す所なく詳記する。四半世紀に亘り、世界の紛争地帯を踏破して来た軍事・外交評論家が明かす本邦初の「軍事教科書」。兵法に有り、「彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず」と。
目次
戦争の基本型
核戦略からエア・ランド・バトルへ
軍の編成と階級
内線作戦と外線作戦
主要国の軍事思想
現代陸軍戦略
現代海軍戦略
現代空軍戦略
ミサイル戦略
宇宙戦略
ゲリラ戦略
テロ戦略
対テロ・ゲリラ戦略
軍事技術の発達
戦争指導の在り方
指揮と統率
著者等紹介
松井茂［マツイシゲル］
１９４７（昭和２２）年、広島県生れ。軍事・外交評論家。雑誌特派記者などを経てフリーに。紛争地帯への現地取材をお家芸とし、ラオス、イラン、イラク、アフガン、ロシア、朝鮮半島等々を歴訪、外交・安全保障問題を軸にテレビ・雑誌等で活躍（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
びす男
46
戦争など起きてほしくない。しかし、「だから学ばなくて良い」というワケでもない■軍事の入門には最適だったと思う。発行は20年前だから、各論ではなく不変の原則、考え方のベースになりそうな箇所をメモして読んだ■雌雄を決する要素は、補給ルートの遮断、軍需産業の破壊、指揮・統制・通信・情報システムの混乱制圧などさまざま。関ヶ原のような「決戦」的な戦争観は、本当に昔のことなんだと思った■高度に専門化した兵士は「もはや消耗品ではない」など、目からウロコの指摘も多々。外交を含めた戦略的な観点と、軍事の現状に興味が湧いた。2021/01/18
Hiroshi
5
軍隊の階級や軍の編成から、戦術・戦略や指揮官の能力、主要各国の軍の能力・傾向まで書いてあり、たまにしか戦記物を読まない者にとって大変参考になる。戦い基本は孫子の兵法。兵器が高性能化すると、それを取り扱う兵士の教育に時間・費用がかかり、徴兵制から志願制に変わる。また兵器高額化によりなかなか売れなくなるので、兵器の開発のスピードが遅くなる等、目鱗のこと多い。アメリカンフットボールは、QBの司令塔や他のポジションの現場判断力・命令実行力を鍛える手段として、米国で盛ん。大日本帝国の官僚化した軍機構との違いを見る。2014/07/13
Mariyudu
3
例えば医科学への無知が妙な民間療法やオカルト治療にひっかかってしまう一因となるように、得体の知れないニューエイジ思想や陰謀論に足を取られず堅実に平和を希求するなら、軍事について学ぶことは百利あって一害無しだろう。という訳で、戦争形態・軍編成・戦略・兵器等、実に幅広い分野が一冊に凝縮されてるこの本。刊行から20年程経っているので、ITを駆使した情報戦・ハイテク無人兵器・ISの領土無き侵略等に言及した続巻が欲しい。2017/07/30
Taco0120
2
お薦め度：★★★☆☆ 少し古いが世界の軍事情を判りやすく概説してくれている。刊行から、隣国の傍若無人ぶりは甚だしいが、我が国といったら... リーダーの項で、リーダーは「信賞必罰」と「秋霜烈日」でなければならない とある。運も必要だが 率先垂範 が基本であろう。日を改め再読したい。2020/06/03
かえるー＠いくさ人
2
このクオリティで軍事学の基礎の基礎を文庫本の出費で学べるのはとてもありがたいです。解説は戦争の基本形から、古代から現代に至る戦略まで幅広くカバーしています。2015/02/05
