内容説明
高度成長期を第一線の経済記者として歩んだ私は、厄年とともに、突然恐怖の宣言をうけた。「禁酒と安静を守らなければ、君は確実に死の道を歩む」…。そして半年間の入院。だが、そこでは酒と過労に責めさいなまれた“沈黙の臓器”の怒りを鎮め、乾ききった心をいやしてくれる数々の人々に出会うことができた。日本エッセイストクラブ賞受賞の小さなコミュニティの物語。
目次
厄年の曲り角
黄色い人
下落合風景
幽霊の散歩
われら肝民族に幸あれ
尼僧物語
脱病院遁走計画
白衣の妖精たち
陽気な3人姉妹
小羊は憂鬱
二つの退院通路