新潮文庫<br> 江戸職人綺譚

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新潮文庫
江戸職人綺譚

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  • サイズ 文庫判/ページ数 324p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101466057
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

当世の流行に逆らい、地味な鳶凧作りにこだわり続ける貧乏凧師、定吉。しかし、女房のおみねはまるで糸の切れた凧のように商売敵の男のもとへ…。定吉は、角凧作りを得意とする花形凧師銀次に、おみねを賭けた喧嘩凧を挑む。喧嘩凧では絶対不利の鳶凧を手に―。凧師をはじめ、化粧師、人形師など、江戸の生活を彩ったさまざまな職人たちの人間模様を丹念に織り上げた傑作短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mocha

106
様々な職人を真ん中に据えて、ミステリー風ありロマンスありの短編集。懸命に己の腕を磨く職人。ストイックであるからこその色気に痺れる。竹カゴ職人の『一会の雪』が特に好きだった。錠前師、凧職人、人形師、大工、化粧師、桶職人、刺青師、引札師。それぞれの世界の奥深さを覗くことができたのも良かった。著者近影のちょんまげ姿にはびっくり。2017/01/18

Lara

71
9短編集。江戸の職人に於ける専門知識が詳細に語られる。錠前師、凧職人、刺青師等々、職人のこだわり、人間模様も絡んで描かれ、味わい深い人生、大いに楽しませていただきましt。2020/07/16

あじ

33
佐江作品の初読は九年前。以来、今日まで一度も手が伸びなかったが(けた違いの質量に腰が引け…)、コールタールのような膿を搾り出し、満を持して再び手に取ることが出来た。選書したのは江戸職人を主役にした九篇の短編集。小説の技巧はさることながら、長年師事してきたかのように仔細に描かれる“匠”が称賛に値する。そして男と女のきめこまかな感情線を縫い合わせており、宿老作家の会心を裏打ちした名品であると思う。◆【続】があるのでそのうちにきっと。2019/07/11

しんこい

10
筋を通し己の腕や道具へのこだわり、職人の世界も武士にまけないきっちりしたもの、というより作品がすべてで身分や石高の類が通用しないだけにもっと厳しいのか。葛籠の話と大工の話が好み。トンビ凧も良いか。2014/07/20

蛇の婿

10
いやもう、自分の腕に信を置いて、ひたすらに自分の仕事に打ち込んでゆく職人さんの姿は、読んでいってものすごく心地がいいのです!…これに収録された話はみな私好みですが、なかでも『対の鉋』『一会の雪』が好きです。そして最後の『思案橋の二人』は、作者の佐江衆一さん自身がコピーライターをされていたこともあり、また、杖術師範、剣道四段の腕前というとですから、少しく自伝的なものも入っているのかもしれません。大変面白い短篇集でありました!!2012/03/21

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