内容説明
二万の軍勢を率いて尾張に進攻した今川義元であったが、桶狭間で信長の寡兵に敗れ命を落とす。父の死、弟の謀叛を乗り越え、元康に属く決心をした菅沼定盈は、その手腕で信頼を勝ち得るも、人質にとられた妻を殺され、守るべき野田城を奪われるという悲運に見舞われる。甲斐では、今川と松平の熾烈な争いを横目に、信玄が不穏な動きを見せ始めていた。時代が激動の様相を呈する第五巻。
著者等紹介
宮城谷昌光[ミヤギタニマサミツ]
1945(昭和20)年、愛知県生れ。早稲田大学第一文学部英文科卒。出版社勤務等を経て’91年(平成3)年、『天空の舟』で新田次郎文学賞を、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。’93年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞受賞。2000年、司馬遼太郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
82
あっという間に桶狭間の戦いは織田方の勝利に終わり、その後の菅沼家の様子が語られます。妻を殺され野田城も奪われますが奪還したりする様子が描かれています。今川家が凋落衰亡していく様子あるいは武田信玄がこれからどうして行くのかが分かりやすく書かれています。また菅沼家がまとまって松平家への忠誠を示します。いよいよこの物語の佳境に入っていくところです。2015/07/30
YONDA
16
桶狭間にて義元討死。元康が籠から飛び立ち岡崎にて独立。清康公の影を追う。今川の枯れ木の下で定盈は苦悩し、人質となった正室、良き協力者であり理解者であった西郷正勝父子を失う。岡崎松平に従い東三河を攻め、それは遠州にまで及ぶが、武田の影を踏んでしまう。武田の西上に定盈はどう立ち向かうのか!いよいよ最終巻。2017/09/21
わたなべよしお
15
やっと、蘊蓄やは来歴の説明やらが少なくなって、普通の速度で物語が展開し始めました。桶狭間での信長の勝利によって、くびきから逃れた家康が勇躍し、三河の支配権を確立していくが、信濃から信玄の……2020/06/30
ほうすう
13
今回は義元死して東海乱れるといったところ。説明過多なところは相変わらず。私の読解力にも問題があるとは思うのですが、そのせいでどうにも状況に感情移入しづらくあれよあれよという間に物語が進んでいる。2020/02/06
只三郎
10
第5巻。今川義元、桶狭間にて倒れ、松平元康(後の徳川家康)が遂に三河に起つ。松平と今川の熾烈な争いにより、菅沼家等の東三河の者達に試練が・・・。 桶狭間から時代が大きく動き出すことが感じられる。その中で小さな勢力しか持たない者の選択など、色々と考えさせられる巻であった。2023/04/06