新潮文庫<br> 火星人類の逆襲

新潮文庫
火星人類の逆襲

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  • サイズ 文庫判/ページ数 357p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784101421032
  • NDC分類 913.6

内容説明

明治44年8月、巨大な円筒が東京湾に落下した。円筒から姿を現わした4台の怪異な機械。それはなんと、13年前にもロンドンを襲った火星人類の戦闘機械だった。高熱光線を発し、帝都を焼き払う戦闘機械。帝都危うし!この危機に決然と立上がる押川春浪、吉岡信敬らバンカラたちの集団・天狗倶楽部の面々。帝都の運命や如何に!明治末の東京を舞台に繰広げる書下ろしSF長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ざるこ

55
和洋さまざまな衣装と履き物、街を攻撃する戦闘機械。楽しすぎる表紙絵だけで焼酎3杯いける。昔の人は根性あるからこのように立ち向かったかもと妄想。かつてロンドンを襲った火星人が明治末期の東京を再び襲撃。その時代に実在した押川春浪、吉岡信敬などの天狗倶楽部の面々が戦いに挑む。危機が迫っても酒盛りしてたり悠長なとこもあるけど、登場人物たちは皆、陛下と帝国を守るため奔走したり、時代さながら侵略を狙うロシアなど背景は現実的。戦略も笑える娯楽作だけど、ラストの火星人類の願い、春浪の男気溢れる演説にはじーんときます。2020/03/03

亮人

22
H・G・ウェルズ『宇宙戦争』の十三年後の後日談という体裁で、ロンドンのお次は明治の帝都に火星人が攻めてきたーというオマージュSF長篇。明治の実在の人物たちが大活躍。とくに主人公である冒険小説家・押川春浪を中心とした天狗倶楽部の面々が魅力的!知的にして豪快なバンカラ集団が、圧倒的戦力の火星人の戦闘機械に立ち向かってゆく姿は、剛毅でカッコイイ!火星人の生態と行動原理とラストの未来へのヴィジョンも、SF的な不変のテーマで良かった!2013/07/22

ソングライン

15
ウエルズの宇宙戦争に描かれた火星人との戦いから十数年後、明治末の日本に、再び火星人が戦闘機械とともに襲来し、東京を殲滅しようとする物語です。これに立ち向かうのは、押川春浪をはじめとするバンカラスポーツ社交団体「天狗倶楽部」の面々です。新渡戸稲造から乃木大将、そして明治天皇まで登場します。宇宙戦争のパロディーではなく、わくわくする立派な続編です。2019/05/24

がんぞ

5
当初『明治天皇と宇宙大戦争』と、筆者らしく映画『…と日露大戦争』を意識したタイトルとする予定だった。日露戦争直後の明治44年、火星人が帝都東京に出現し三本脚歩行兵器の熱光線と自在の機械触手による破壊に対し当時の武器は全く通じない。ところが!実在の快男児・押川春浪らは乃木希典に進言し「落とし穴作戦」火星人を捕獲、その弱点を突き止め大逆転!降参して自ら退場/哺乳類の同種攻撃の習性は、遺伝子保存の本能から来ている。それはやがて人類文明の破滅を招くかもしれない…植物の知性体は光瀬龍『百億の昼と千億の夜』などに先例2017/10/29

臓物ちゃん

5
押川春浪を主人公に、御船千鶴子に乃木大将と明治の実在人物達が火星人のトライポッドとガチンコバトルする和製スチームパンクの傑作。とにかく主役パーティーであるバンカラ軍団のテンションがひたすらアゲアゲで、ラストはみんなで酒呑んでどんちゃん騒ぎとか麦わら海賊団かよというようなノリで、読んでるこっちもテンションがホホーイてなってくる。あと明治末期が舞台なので、北海道に着陸した火星人はアシリパさんにチタタプにされちゃったんだろうな。ラストは明治らしく短歌でビシッと締める素敵な一冊。2016/09/04

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