内容説明
ちいさい頃から不思議なことが好きだった。不思議を体験したくてたまらない、中学・高校時代だった―現実主義者で、霊感もない私が出会った奇妙な出来事。なぜなの?わけはわからないけれど、それは何かを伝えようとしているみたいで、不思議に思いながら、恐ろしさを感じながらも、心惹かれていく…。不可解な夢のようでいて、どこかリアルな日常に触れている、掌編小説集。
著者等紹介
田口ランディ[タグチランディ]
東京生れ。作家・エッセイスト。人間の心の問題をテーマに幅広く執筆活動を展開
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
葵
14
日頃、人から「どうしてそんなこと考えて生きてるの?生き難くない?」とか「変なこと言うのね。もしかして病んでる?」なんて言われる。そんな時は笑ってやり過ごす。確かに極端な部分があることは自覚してるし、一部マイノリティな思考かもしれないけど、そんな言い方される筋合いはあるのか?と内心傷ついていた。でもこの本は、私みたいに内向的で思慮深く過敏で繊細な(決してふざけてない)旧友へ宛てた手紙のような、妙な優しさを感じる。「世界を美しく彩るのは、きっとそういう人なんだよ」って。田口ランディは温かい人なんだなぁ。2017/06/20
TANGO
13
ずいぶん前に買ってあったのを、再読。不思議だけど、現実と隣り合わせにあるような、自分に近いところにあるような、そんな小さな話がちょっとずつ入っていて、やっぱり心惹かれた。2013/04/09
タナー
12
実は、好きな作家のひとりだ。小説デビュー作「コンセント」を読んで衝撃を受けたのは、もう何年前のことだろう....。それから長編小説「アンテナ」と「モザイク」を続けざまに、とりつかれたように読んだのは今でも覚えている。不思議な魅力をもった作家である。今作は田口ランディの短編集だ。短編集というものを、俺は殆ど読まない。何か中途半端な感じがするからだ。しかし、田口ランディの場合はちょっと違う。素晴らしい短編を描ける作家が、本当に素晴らしい作家だと、俺は思っている。田口ランディは間違いなく、そんな作家のひとりだ。2017/01/16
ゆっき~
7
田口さんの本、初めて読みました。 言葉の選び方が好きかも。数ページの掌編の中に、ハッとする一文が散りばめられていて、時々読み返したいなと思いました。あ、タイトルほど怪しい本ではありません(笑)2014/06/15
tomo
5
「いちごあめ」で泣いてしまった。著者の作品は初読だけれども、コワレモノのように繊細で、とても好きだと思った。自分の感情や感じることに素直に生きていきたい。 「ただ感じて、抱きしめて、手放せば、そうすれば、森羅万象、すべてのなかに、あたしを生かす力が満ちている。」2021/05/10