新潮文庫<br> 四十七人の刺客

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新潮文庫
四十七人の刺客

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  • サイズ 文庫判/ページ数 572p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101408118
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「今宵、吉良を殺す」―それは謀略の終結を意味した。赤穂藩廃絶後、大石内蔵助は藩士の被った恥を栄光に転化する為、密かな奔走を開始する。大坂塩相場に、町人の噂話の巷に、悲運に泣く女たちの許に…。内蔵助の仕掛けた刃は討入り前にすでにして吉良・上杉一門に迫り、雪の師走十四日は審判の日となった。忠臣、浪士ではなく“刺客”と化した四十七士を気高く描く画期的作品。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

goro@80.7

56
読まずには死ねない一冊であった。読まず嫌いであった事の不覚。忠臣蔵の何を見ていたのかと恥じる次第でありました。池宮史観であるのでしょうが、納得の物語です。刃傷事件の原因が何であったのか判明させずに切腹となった浅野内匠頭。昼行燈と韜晦しながらも一朝有事はあるものと画策していた大石内蔵助の慧眼がこの戦を成功に導いたとしか思えない。侍であることの苦しさも美しく生き死に成し遂げた物語でありました。内蔵助vs色部・上杉の闘いだったんだな。2021/12/18

海猫

53
格調と重厚さのある文章には時代小説を読む醍醐味が大いにある。一方でウェットさのない徹底的にクールな視点、くりだされる謀略策略の展開はまるで海外の諜報小説のごとき味わいで相反する2つの要素が交わった結果、モダンでスマートなエンターテイメント小説として結実、すこぶる面白い。ひたすら状況が煮詰まって、最後の最後の討ち入り描写でカタルシス炸裂。ところどころ印象に残る台詞があって青白い炎のように静かに熱い。2014/01/23

優希

44
面白かったです。忠臣蔵の世界が真正面から描かれていました。いかに自分が忠臣蔵を知らなかったかを教えられたようです。人事を尽くした闘いが壮絶な斬り合いになっていく流れには引き込まれました。色々な忠臣蔵がありますが、物語に吹き込まれた息吹で新たな忠臣蔵に仕上がっていると思います。2022/04/03

セロリ

40
赤穂浪士の討ち入りの話。とても面白かった。浅野内匠頭の刃傷の真因を追求しなかったのは、政治的な駆け引きの結果だ。突然のお家断絶で混乱する家臣たち。大石内蔵助は、皆をまとめながら戦うことを決める。討ち入りを成功させるため様々な策をとり、入念に準備する内蔵助にワクワクした。いよいよ討ち入りとなり、私も一緒にドキドキした。また所々ストーリーから離れて、書き残された記録に対するコメントがあり(この記録は正しくない、など)ちょっと新鮮。史料史書や記録は、その時々の権力者によって書き換えられ、それは今も続いている。2022/08/26

G❗️襄

5
《風さそう花よりもなほ我はまた 春の名残をいかにとやせん》浅野内匠頭 《あら楽し思ひは晴るる身は捨つる 浮世の月にかかる雲なし》大石内蔵助 辞世の句として有名であるが、これは後世のものと勘破する池宮彰一郎。こんな辞世などあり得ないと、実に潔い。そう云われればそうかもと思ってしまう。史実の虚実をフルイにかけ、池宮忠臣蔵はクールでスマートなのだ。吉良の後楯上杉家老色部又四郎vs赤穂浅野家家老大石内蔵助の対決を軸に展開される構成は乙な味があり、忠臣蔵モノとして指折りの出来栄えとなった。「韜晦」の語を教わった。2023/05/26

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