新潮文庫<br> 鴎外の坂

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新潮文庫
鴎外の坂

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  • サイズ 文庫判/ページ数 451p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101390222
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0191

内容説明

団子坂、無縁坂、S坂、暗闇坂…。軍医・小説家として、一家の期待を一身に背負いながら、栄光の道を歩んだかに見えた明治の文豪は、実は起伏の激しい人生の坂を登り降りしていた!向島、千住、上野、千駄木など、彼が暮らした東京各地を丹念にたどり直しながら、ドイツへの留学、離婚と再婚、嫁姑の不和、茉莉ら子供たちとの生活など、家族や友人との人間模様を描く力作評伝。

目次

プロローグ 『青年』が歩く
第1章 向島の家―喜美子の眼
第2章 宿場の医者―千住 橘井堂医院のこと
第3章 わが旧妻なり―赤松登志子のこと
第4章 千朶山房―太田の原の家
第5章 君に見せたきものあらば―三木竹二小伝
第6章 市隠の居処―団子坂観潮楼
第7章 無縁坂の女―玉とせき
第8章 二つの家―しげのこと
第9章 耀く日々―子どもたちの地図

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

70
向島/千住/(留学)上野花園/千駄木/(転勤)団子坂。隅田川を基点として徐々に都心回帰。住処を基点に、”山谷”と個の趣向を振り返る。前者では妹弟・子供たちの保護者という面が印象的。喜美子のつららや子供たちと始発駅に戻る件など。後者は食住と探墓。風呂に浸からず盥のお湯で体を拭く、葬式饅頭のお茶漬け?!一方、探墓に鴎外氏の精神性を垣間見る。生死を結ぶ象徴であり、興味を持った人間との結びつきを求めていた感。なお、漱石氏との食住の共通項である千駄木の借家と精養軒の件に、両者の物心両面での交錯を頭に浮かべる。 2018/11/21

i-miya

52
2014.01.15(12/30)(つづき)森鴎外著。 01/14 (p193) 登志子が美しく生まれてこなかったのは、この場合、不幸であった。ハルトマン、『審美論』を訳出した鴎外。 容貌のみならず声や挙措も含めて五感が登志子を気に入らなかったのであろう。 於菟、「父が胸中忘れかねていたのは」実はエリーゼではなかろうか、ともかく。 石橋忍月『舞姫』に対する批判。  2014/01/15

i-miya

51
2013.11.30(11/30)(つづき)森鴎外著。 11/29 (p170) 8/6、小金井喜美子。長男を産む。 翌日鴎外、篤次郎が見舞い、一日おき、登志子が「赤さんを○○」に行っている。 「小金井の子はいい子だ。あれが本当の赤ん坊というもの。唐人組のような頭の子とは違う」と鴎外がいうので、妊娠9ヶ月の登志子、気に病む。 そこからの状況は急転直下である。 8/17より、鴎外、臨月の妻を置いて、11日間信州山田温泉へ滞在。  2013/11/30

i-miya

48
2014.02.28(01/30)(つづき)森鴎外著。 02/27 (P176) ☆鴎外ほどの表現者が前妻について何も書いていないはずはない、と全集を繰ってみた。 M24.01、『文づかい』、姫イイダは、愛していない中尉との「門閥」のための結婚を嫌い、日本人軍属、小林を「文使」にして、伯母に手紙を届け、官女になって宮廷に仕える話である。 登志子は、鴎外との離婚後、宮下道三郎という海軍省関係者の夫人とあり、二児を生んだが、M33、なくなった。  2014/02/28

i-miya

42
2013.10.12(つづき)森鴎外著。 2013.10.11 (P164) 既成の『国民之友』、『読売新聞』とは違う土俵を切り開く。 (1)陸軍省勤務、(2)美術学校講師、(3)医事評論、(4)『志がらみ草子』上に、『油画漫評』(原田直次郎とともに)、そして新妻登志子は、この熱気の埒外にいた。 客なれしない登志子。 短気を起こし自分でやる弟篤次郎、2Fの客、小姑の喜美子も加わる。 2013/10/12

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