新潮文庫
ウルトラ・ダラー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 448p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101381152
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

1968年、東京、若き彫刻職人が失踪した。それが全ての始まりだった。2002年、ダブリン、新種の偽百ドル札が発見される。巧緻を極めた紙幣は「ウルトラ・ダラー」と呼ばれることになった。英国情報部員スティーブン・ブラッドレーは、大いなる謎を追い、世界を駆けめぐる。ハイテク企業の罠、熾烈な諜報戦、そして日本外交の暗闇…。わが国に初めて誕生した、インテリジェンス小説。

著者等紹介

手嶋龍一[テシマリュウイチ]
1949(昭和24)年、北海道生れ。外交ジャーナリスト・作家。冷戦の終焉にNHKワシントン特派員として立会い、FSX・次期支援戦闘機の開発をめぐる日米の暗闘を描いた『たそがれゆく日米同盟』を発表。続いて湾岸戦争に遭遇して迷走するニッポンの素顔を活写した『外交敗戦』(いずれも新潮文庫)を著し、注目を集める。2001(平成13)年の同時多発テロ事件ではワシントン支局長として11日間にわたる昼夜連続の中継放送を担った。’06年には世界各地に張り巡らした極秘の情報源を駆使して北の独裁国家の謎に挑んだ『ウルトラ・ダラー』を発表。「日々のニュースがこの物語を追いかけている」と出版界に大きな衝撃を与えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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キク

59
北朝鮮が刷った「シリアル番号と北朝鮮で作られたこと以外は本物」といわれた偽札ウルトラ・ダラーを軸に、拉致問題・弾道ミサイル開発をめぐり、日米英の情報機関が入り乱れて疾走していくインテリジェンス小説。元NHKワシントン支局長で池上彰や佐藤優と共著のある著者の描く外交の内側は、密度が高く衝撃的だ。でも、「こんなことがあったんですよ」「あれの内側は実はこうですよ」を言いたい気持ちが強すぎて、小説としての構図は少しヤボッたい。でもまあ、小説家じゃなくてジャーナリストが書いた外交情報物だと思えば上質だし面白い2022/12/15

まつうら

46
北朝鮮のインテリジェンスに大きく影響したと解説される、血生臭さと銅臭が漂う偽札追跡サスペンス劇。そんなストーリーを追う主人公は、和の雰囲気を纏う粋人で英国貴公子のブラッドレー。粋人のブラッドレーが血生臭い事件を追うことにアンバランスさを感じるが、物語の中では不思議と調和しており、なんとも言えない上品さを感じさせる。エンディングではブラッドレー自ら銃を手に、スパイかもしれない恋人を迷いながらも助けに行く。もの悲しさが漂うこのシーンに、レイモンドチャンドラーの影を見た。とても美しいエンディングに感動!2022/10/12

gonta19

40
2011/5/13 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2013/8/9〜8/15 テッシーこと元NHKワシントン支局長、手嶋さんのインテリジェンス小説。小説家の書く文章ほど深みは無いが、情報の世界に生きてきた人だけあって、非常に整理された文を書かれるなぁ。内容は流石の出来映え。こんなことが、実際あるかも?と思わせる。ただ、最後が少し残念。解説は、かの佐藤優氏であり、こちらも読み応え有り。2013/08/15

HoneyBear

34
彼の国を巡るすごく面白い題材なんだが… 謀略小説としては今ひとつ盛り上がりを欠いた。ジャーナリストとして「言えないけれど言いたいこと」を小説の世界に仮託したのかな。その意味では一定の成功を収めているのかも。2014/01/05

James Hayashi

33
米ドルの偽札を主題にストーリー展開していくが、外交やら国際関係を含みながらで緊張感がある。10年ほど前の作品だが、北朝鮮やロシアの状況に変化は見られず。一部事実を取り入れているがフィクションとしての構想はとても大きく、元NHK特派員であることを思わせる。日本の甘々の外交やらセキュリティを知れるが、ただ広げた風呂敷はそのままだし、結末もまとまりがなく、もう少し腰を落ち着け書き込んで欲しかった。2017/04/16

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