内容説明
建設コンサルタント・二宮啓之が、産業廃棄物処理場をめぐるトラブルに巻き込まれた。依頼人の失踪。たび重なる妨害。事件を追う中で見えてきたのは、数十億もの利権に群がる金の亡者たちだ。なりゆきでコンビを組むことになったのは、桑原保彦。だが、二宮の“相棒”は、一筋縄でいく男ではなかった―。関西を舞台に、欲望と暴力が蠢く世界を描く、圧倒的長編エンターテインメント。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
236
二宮と桑原のコンビが最高です。終始お互いを罵詈合っていますが(罵詈合う台詞が意外にウイットに富んでいて面白いのです!)、心の底ではお互いを認め合っているのが印象的でした。シリーズ化しているそうなので次作も楽しみです。2017/08/12
ナイスネイチャ
189
「破門」が面白かったので。シリーズ1作目文庫本が15年経って発行されたんですね。桑原・二宮コンビは最初からお互いに違和感なく受け入れるんですね~。産廃利権を巡る話はちょっと取っつきにくかったですが、大阪弁も大阪の馴染みのある地名も私には有利でした。次作「国境」がシリーズ最高傑作らしいので楽しみです。2015/03/08
修一郎
154
イケイケ桑原と二宮の掛け合いが抜群に面白いし、悪い奴らがたくさん登場して,二宮がなんでだよーって走りまわっては殴られ、ダイハード感あるわぁ…と破門からの遡り読みなのでおなじみのパターンだ。ちっこい現場工事の前サバキが悪い奴らが集る巨大産廃施設建設疑惑に広がっていく展開は緊迫感たっぷり。産廃の話は専門的で勉強になるが、一方大阪の地名と極道専門用語に苦戦、わんさかいる悪者キャラが区別つきにくいので把握するのに一苦労。色気ゼロ食い気多めの文章で、相関図メモを取りながらだったけど,楽しめました。さぁ次は国境だ‥2015/06/19
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
135
黒川はんお初。建築コンサルタントの二宮に筋もんの桑原の凸凹コンビ。二人の軽妙なやりとりはまるで吉本の漫才や。やっぱこういうのは大阪弁やないとあかん。大阪の産業廃棄物処分地造成を巡ってゼネコン、土建屋、議員に極道が入り乱れての、金に汚い悪い奴等ばっかしの話やったけど、ごっつうおもろいやん。なんやて?これシリーズ物やて?こら、続きも読まなあかんなあ。★★★★2014/10/13
しんたろー
129
黒川博行さん初読み。読友さんのオススメで人気シリーズの第1巻チョイス… 建設コンサルタント・二宮&ヤクザ・桑原のコンビものはハードボイルド調だが、二人の会話が関西弁だからかコミカルに感じる部分も多々あり、展開の速さと相まってサクサク読めた。今回の事件は産廃処理場に纏わるトラブルに首を突っ込んだ二人が真相に辿り着くまでの話だが、知らなかった産廃について興味を持てたのも良かった。しかし『新宿鮫』のように夢中になれなかったのが正直なところ…それは事件の質が大きく違うのと、魅力的な脇役が不在な点が理由だと思う。2024/01/28