新潮文庫<br> 宿命―「よど号」亡命者たちの秘密工作

新潮文庫
宿命―「よど号」亡命者たちの秘密工作

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  • サイズ 文庫判/ページ数 685p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101355313
  • NDC分類 316.5
  • Cコード C0130

内容説明

1970年3月末、赤軍派メンバー9人が日航機をハイジャックし、北朝鮮へ亡命した「よど号」事件。謎に包まれた犯人たちのその後の人生とは。犯行の計画、北朝鮮の思想教育、日本人拉致の実態、そして日本潜入工作―。恐るべき国際謀略の尖兵と化し、世界を舞台に暗躍した彼らの秘密工作の全貌を丹念な取材で初めて明らかにした衝撃のルポルタージュ。講談社ノンフィクション賞受賞。

目次

名曲喫茶
空賊
偽装空港
闇への亡命
平壌
思想改造
金の卵
秘密の招待状
潜入渡航
妻たちの北朝鮮
結婚作戦の真実
日本人革命村
マドリッドの失踪者
生存の証明
ロンドンの罠
チボリの夏
密輸シンジケート
双面のヤヌス
接線
ウィーン工作
背後の影
消息不明
山桃の家
思想対立
海上への脱出
破綻した虚構
日本潜入
密告
国内工作
撤収
祖国喪失
時間の迷路
黙契

著者等紹介

高沢皓司[タカザワコウジ]
1947(昭和22)年大阪生れ。全共闘運動を経験したのち記者、編集者を経てフリージャーナリストとなる。専門は戦後日本の社会運動と学生運動。’90年以降北朝鮮訪問を重ね、亡命者たちへの取材を続ける。’99年『宿命』で講談社ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おいしゃん

87
【講談社ノンフィクション賞作品】680ページという厚さと、テーマのディープさと、真実の恐ろしさに、1日1冊読める自分でも1週間かかった。しかし、手に取った人は諦めずに読んでほしい。徹底的な取材力と考察と描写に、グイグイ引き込まれた。よど号ハイジャック事件は知っていたが、その後彼らはこんな人生を送っていたのか!という発見だけでなく、拉致事件の裏側まで、一本の糸で繋がり、本当に読み応えがあった。ある新聞社編集部で、ジャーナリストとしての「教科書」と言われたのも納得である。2015/12/12

遥かなる想い

77
サブタイトルに惹かれて購入。よど号は北朝鮮に渡るため日本赤軍がハイジャックという手段を日本で初めて用いた事件であり、田村高麿などの指導者を失った日本赤軍がその後連合赤軍リンチ殺人事件浅間山荘事件をおこして崩壊していくきっかけとなる事件だが、この本はその事件を描くのではなく、北朝鮮に渡った「よど号」犯人たちの その後30年を克明に描写したものである。「よど号」はそこで終わりではなく、不可解なその後がある。北朝鮮という近くて遠い国の活動、よく見えなかった実態をよど号という切り口で描いた良質のノンフィクション 2010/05/17

ばんだねいっぺい

37
同情するところもあるが、身から出た錆でもあり、ハイジャックをした彼ら達自身がジャックされてしまうという運命の皮肉に悲しみを感じた。巻き込まれた人たちが本当に心から怒りを覚えているのは、当然のことだし、たまったものじゃないと思った。2016/05/27

姉勤

35
1970年、日航機をハイジャックし北朝鮮に渡った9人の若者。独りよがりの理想、平和、平等をつけ込まれ、染脳され、同胞を貶める犯罪に利用され、反省や悔恨すら抱けない人間のまま客死する約20年。恐るべき北朝鮮の世界規模の犯罪活動と、それに加担せざるを得ぬよう誘導されたよど号メンバー。ヨーロッパの日本人拉致、国内の工作、情緒を利用したマスコミ誘導を「主体」的に行い、その末路は、己の死すら外交カードに利用された。単なる操り人形と化した彼らは、平和の名の下に、主体性を放棄した、現在に延長する日本の裏写しでもある。2019/08/21

kinkin

19
まだ中学になったばかりの自分にも、この事件は衝撃的で、今もその模様が記憶に残っている。ハイジャックという当時では誰も予想しない手段で北朝鮮に渡った亡命者たち。そして、彼らのその後と妻たち。近くて遠い世界で 今、どうしているのだろう。亡くなったとされる数名の死因の真実は、日本人拉致の真相は、様々なことが今も謎に包まれている。このまま、よど号問題は、時と共に人々の記憶から薄れていく中、貴重なルポだと感じた。2014/02/14

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