内容説明
銀行本店の地下深く眠る6トンの金塊を奪取せよ。大阪の街でしたたかに生きる6人の男たちが企んだ、大胆不敵な金塊強奪計画。ハイテクを駆使した鉄壁の防御システムは、果して突破可能か?変電所が炎に包まれ、制御室は爆破され、世紀の奪取作戦の火蓋が切って落とされた。圧倒的な迫力と正確無比なディテイルで絶賛を浴びた著者のデビュー作。日本推理サスペンス大賞受賞。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
280
これが高村薫のデビュー作だなんて、驚きを禁じ得ない。小説の細部の彫琢は、全く新人作家のそれとは思えないからである。まさに、満を持して発表された長編だったのだろう。銀行の地下に眠る6トンもの金塊の、もちろんすべてを奪うことは不可能だ。狙うはそのうちの500kgーおよそ10億円相当。ここからが作家の想像力のすごいところだ。もしも、これを奪うとするならばという仮定から、細部をそれこそ細密なまでに積み上げてゆく。それはまさに現実の警備態勢をも脅かしかねないほどなのだから。2017/03/21
Tetchy
164
まず驚いたのはこの作家が女性だということだった。この緊密な文章で語られる男どもは特有のだらしなさも持ち合わせ、とても女性が書いたとは思えなかった。名前が似ている北村薫も女性と思ってて男性だったので、こんがらがった記憶がある。とにかく登場人物全てが排他的で個人主義的かつ自暴的。こんなメンバーで銀行強盗を計画する事自体、無謀なのだが微に入り細を穿つ構成で読者を納得させる。今でもあのラストといい、どうにも女性が書くような話ではないと思っているのだが・・・。2009/10/14
ゴンゾウ@新潮部
139
銀行強盗の話であるが、登場人物に多くのサイドストーリーが絡まりとても複雑な作品だった。映画を観ていたので何とかついていけたが観てなかったらもっと苦労していたと思う。北朝鮮のスパイや左翼運動家の攻防が入ってきて、とても成功するとは思えませんでした。スッキリできない作品だった。2015/04/11
ehirano1
138
途中で断念、、、、、タイミングの問題なんだろうなと思ってます。近いうちににまた!2019/08/10
i-miya
119
2010.11.18 (背表紙裏書) 銀行の本店の地下の6トンの金塊、奪取せよ!6人の男。防御システム破れるか。デビュー作。1990、日本推理サスペンス大賞。(髙村薫) 1953、大阪市生まれ、国際基督教大学卒業、外資系商社勤務を経る。(解説・長谷部史親) ゆるぎない地位占める高村薫。1987、日本推理サスペンス大賞募集開始、1988、第1回、乃南アサ『幸福な朝食』。1989、第2回、宮部みゆき『魔術はささやく』最後まで残った候補作品『リヴィエラを撃て』1990、第3回は当然のように。2010/11/19