新潮文庫
絹扇

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 391p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101341088
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

白羽二重で知られる福井の絹織物業を陰で支えた機織りの女性たち。明治21年生れのちよは、7歳で家業を手伝い、そのために学校も満足に通えなかった。美貌と機織りの腕を見込まれ、名家の次男に嫁ぐが、夫にはちよの知らない秘密があった。優しく献身的なちよに降りかかる苦難の数々。貧しくとも情感豊かな庶民の姿と、機織りに生きる女の半生を福井の産業史に重ねて描く秀作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

バーベナ

4
貧しい農家兼織屋に生まれた長女ちよの半生。器量よしで春江一の織手と言われたちよ。玉の輿に乗った後もそんな自覚もなく、織手として家業を助け働き続ける。この時代は「死」が今より身近だった。最後、何も無くなってしまったちよにも安らかな人生の兆しがみえるのが救い。折々にお寺がコミュニティーの中心的な役割をになっている様子が伺えてそれがとても温かく感じる。2010/08/02

ぷっこ

2
読んでいて辛かった。自分が女だからか。 身に起こる苦難を全て抱え込んで生きようと覚悟を決めてしまう主人公。強い。逃げ場のない明治初期の女だからこその痛ましさが淡々とした語りで描写されてて、なんかズキズキきた。 2011/03/10

harumomo

0
主人公ちよのような影ながら人のを支える女性は今時珍しいと思う。私が感動したのは散々迷惑をかけられた夫の大切な人が亡くなった時の対応に涙がでそうになりました。 家族や従業員の事を第一に考え自分の事は後回し。そんな彼女を見ていてくれる人も居る事も救われた2016/11/07

花椿

0
★★★★★2013/02/23

sumjin

0
1889(明治21)年、中村ちよ、かぞえ9歳。父親が全財産を売って機織り業に乗り出す。7歳からちよは家内工業の貴重な戦力であった。小学校も行けず、冷たい水で手は真っ赤に腫れ、幼い妹を背負いながら、家業から台所のまかないまで懸命に働いた。18になった時、思わぬ縁談が舞い込み、幸せな生活が送れていたのだが.....まさに波乱万丈の人生、この本でも、やっぱり女性の強さを再確認した。福井県の絹織物の歴史が詳細に描かれている。2013/02/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/128759
  • ご注意事項