新潮文庫
崩御と即位―天皇の家族史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 455p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101333724
  • NDC分類 288.41
  • Cコード C0195

内容説明

時代は天皇がつくり、結果的に天皇には時代が凝縮されている―。明治天皇の剛直さ、大正天皇の文学的側面など、歴代天皇の個性と一家族としての天皇家の父子、母子、夫婦関係は、いかに時代に影響するのか。それは“代替り”の局面に如実にあらわれていた。孝明帝の急逝に始まり平成の世に至る五代の家族の姿から、近現代の天皇家と天皇制を捉え直した画期的ノンフィクション大作。

目次

摂政宮誕生と大正天皇の嘆き
貞明皇后の「妻としての選択」
「女性天皇」の成立とその限界
側近たちの死と時代の空気
大正から昭和へのその光景
見えてきた昭和天皇の実像
「父帝の影」と死を前にしての決意
残された昭和天皇の「お言葉」
「あの戦争」への自責の念
病状報道という非人間的空間
明治天皇、体調不良の日々
「聖上陛下御重態」宮内省の内と外
皇太子が闘う日々の実相
「洵に恐慴の至りに堪えず」
新天皇体制の形成と戸惑い
漢詩に見る大正天皇の心中
孝明天皇「毒殺」の噂
「亡霊」となった孝明天皇
時代を拓く君主の道
先帝を否定する宿命
天皇と皇后たちの時代

著者等紹介

保阪正康[ホサカマサヤス]
1939(昭和14)年、北海道生れ。同志社大学文学部卒業後、編集者などを経てノンフィクション作家に。とくに昭和史、医療問題に関する作品に定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

75
読みやすい。ノンフィクション作家保坂氏が天皇についての捉え方や天皇制について思うところを書いている。賛否意見はあるだろうが、天皇についてあまり知る機会が少ない中、考えるきっかけを与えてくれた。中身についての私の感想を書こうかとも思ったが、内容が天皇だけに止めておく。。ただ天皇史としての時代の役割や時代の関わり等は読んでて勉強になったし、きっと学校ではこんなに詳しくは学べないだろう!と思った。2014/04/23

mazda

38
戦争責任について、昭和天皇にマスコミが質問したことが書いてあった(よく質問したな、と思いますが…。その神経が信じられない)が、それに対して、正直に答えたかったのでしょうが言葉を濁した、そんな陛下のお気持ちを我々がいかに理解できるだろう…。一番いやだった思い出を「第二次世界大戦」と語っていらしたことからも、昭和天皇がいかに平和主義者だったか、それ故開戦に至ってしまったことの辛さ、重く感じていたであろう責任感というもがどれくらいのものだったのか、きっと想像できるものではないのだろう…。2014/05/11

makimakimasa

8
令和も既に1ヶ月だが、明仁上皇の退位は本当に良かった。昭和と同様に明治の時代さえ、天皇晩年の詳細過ぎる病状報道で、国民全体が崩御待ちの状況が生まれていた。今回初めて大正天皇の事を色々知って(原武史の著作からの参照多め)シンパシーを感じた。偉大な父への複雑な感情、権謀術数の政治や軍事を嫌い、漢詩を好むアーティスト気質だった事、貞明皇后を大切にして側室制度が廃止になった事、不能と言われた脳病の実情、摂政裕仁の仕掛人・牧野伸晃。時代を凝縮する各天皇の個性をもって「日本の歴史は川ではなく竹」とは上手い締め括りだ。2019/05/30

内藤銀ねず

6
孝明→明治→大正→昭和→当今と、近代五帝の文字通り崩御と即位の記録。新潮文庫は小説以外にも良質な本が多いのに、こういう本は得てして出たとき買っておかないと二度と巡り会えない仕打ちに遭います。わたしの記憶に残っている昭和最後の日々をこういう形で知ることが出来るのも感慨深かったし、個人的に気になっている天皇の記憶力エピソードにも触れられていて読み応えあり。惜しむらくは本が厚すぎて新潮文庫にしかない紐しおりを多用、本がほつれてしまったこと。。

yamatoshiuruhashi

6
絶版本。明治以降の天皇、皇后、そして時に皇太子。それぞれの時代が求める姿、そして御自らが希求された国の姿と在り方。日本近現代史の新しい切り口として非常に新鮮であり、そして感慨深い本である。読書メーターの紡ぐご縁によりこの本を知り読むことができた。深く感謝です。2014/05/11

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