内容説明
権力者はだから面白い。外務省在籍時代に間近で接した、歴代総理やロシア首悩の意外な素顔、さらには誰もが知る歴史上の人物の精神にひそむ生々しい野心と欲望に、インテリジェンスの視点から切り込んだ異色の人物論集。国際政治の最前線で、外交の武器となる人間観察力を磨いた著者ならではの、ディープな知見と圧倒的な筆力で驚くべき、でも愛すべき権力者の真実の姿を炙り出す。
目次
鈴木宗男の哀しみ
橋本龍太郎と日露外交
私が見た「人間・橋本龍太郎」
小渕恵三の“招き猫”
新キングメーカー「森喜朗」秘話
死神プーチンの仮面を剥げ
プーチン後継争いに見る凄まじき「男の嫉妬」
日露対抗「権力と男の物語」
「異能の論客」蓑田胸喜の生涯
怪僧ラスプーチンとロシアン・セックス〔ほか〕
著者等紹介
佐藤優[サトウマサル]
1960(昭和35)年生れ。’85年、同志社大学大学院神学研究科修了の後、外務省入省。在英日本国大使館、ロシア連邦日本国大使館などを経て、’95(平成7)年から外務本省国際情報局分析第一課に勤務。2002年5月、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕。’05年2月執行猶予付き有罪判決を受けた。同年『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて』で毎日出版文化賞特別賞を受賞した。主な著書に『自壊する帝国』(新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞)、などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ehirano1
109
イエス・キリストからプーチンに至るまでの余人についての著者の見解は実に興味深いです。著者の他作と一部被っていますが、他作には記載されていなかった部分もあり、理解が不足しているエピソードのピースを埋めることができました。神学の箇所は当方にはまだまだ難解です。香山リカ氏の解説も素晴らしかったと感じましたし、「病跡学」なるものも初めて知ることができ興味が湧いています。2016/11/11
gonta19
61
2010/11/7 Amazonより届く。 2015/2/26〜3/11 佐藤優氏の人物評。鈴木宗男、橋本龍太郎、森喜朗氏ら関係深い政治家や、ロシアの政治家、世界の思想家など、独特の目線からの評論はとても興味深い。氏の作品を読むのはいつもワクワクする。後書も素晴らしかった。2015/03/11
mitei
48
主に色んな政治家のインテリジェンス感覚を紹介していくという本書の構成だったが、一番面白かったのは東郷和彦氏とのやり取りだった。2011/10/07
佐島楓
36
政治、外交、神学など多岐にわたる著者の見識には驚かされる。黙って読むしかない、という感じである。人間を見る目の厳しさ、情報の精査力、言葉の選び方、興味深く読むことができた。スパイゾルゲが気になる。2014/06/11
もりやまたけよし
30
佐藤さんのエッセイを集めた感じで人となりの理解が進んだ。最後の後書きに両親のことが書かれてあったが、お父さんとよく似た人生なんだなと感じる。2023/08/02