新潮文庫<br> ウェルカム・ホーム!

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新潮文庫
ウェルカム・ホーム!

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  • サイズ 文庫判/ページ数 255p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101325200
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

血なんか繋がってなくても大丈夫。魔法のことば「お帰りなさい!」を大きな声で叫んだら、大好きなあの人は、たちまち大切な家族に変わるから。離婚し親にも勘当され、親友の父子家庭宅に居候しながら、家事と子育てに励む元シェフ渡辺毅と、再婚にも失敗し、愛情を注いで育てあげた前夫の連れ娘と引き離されたキャリアウーマン児島律子。それぞれの奮闘に温かな涙がとまらない2つの物語!

著者等紹介

鷺沢萠[サギサワメグム]
1968‐2004。1968(昭和43)年、東京生れ。上智大学外国語学部ロシア語科除籍。’87年、18歳の時に「川べりの道」を執筆し、文學界新人賞を受賞。「葉桜の日」などで芥川賞候補に、「ほんとうの夏」などで三島賞候補に挙げられ、’92(平成4)年『駆ける少年』で泉鏡花文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

409
これまでに読んだ鷺沢萠の作品とは趣を異にする。すなわち、私の印象では鷺沢作品は、多かれ少なかれ自己の内的なアイデンティティの問題が投影されていたが、本作では自己の外側に小説世界を形作っていることだ。また、2つの中編を併置する手法も珍しいもの。2つの小説はいずれも血縁のないところに成立する親子愛をテーマとしているが、これは見方を変えれば、”血”への拘泥からの脱却を図ったことの結果であったのかもしれない。ともかくいずれもなかなかにハートウォーミングな作品に仕上がっている。私の好みで言えば、前後を作文に語らせ⇒2020/01/28

オリックスバファローズ

79
家族を家族たらしめるのは血のつながりじゃない、大切なのは柔らかで温かい心なんだということが伝わる、素晴らしい家族小説集でした。2018/04/20

ALATA

71
ジャケ買いならぬ表紙買い。期待通りの大満足の一冊でした。二人の父親がいる小学生の無邪気な様子が微笑ましい。宿題の作文でゲイカップルに疑われて焦る様に抱腹絶倒。三人家族の鮮やかな日常が描かれて面白い。「タケシが育ててくれたからノリがいい子に育った」ここでホロっと…。ニ作目は母と娘、血が繋がらなくてもずっと強い絆が生まれるんだなと最後に心がじんわりしました★5※初読み作家さんで他も検索してみてびっくり。これ、遺作なんですね。こんなに温かい素晴らしい物語をサギサワさんにありがとう言いたい。2022/11/29

速読おやじ

46
中編が二作品。テーマは親子愛。どちらも一人親と子供で、シングルファーザーの話とシングルマザーの話。両方ともとても良かった。小説としては前半の話がたぶんよく書けてるんだろうけど、かつてハンコーキの娘がいた経験からすると後半の話は少し涙腺が、、、鷺沢萠らしくないというか、何だか重松清的な家族小説でした^_^ でも、実はこういうのが好きなんです。2020/10/27

penguin-blue

46
久々の鷺沢さん。幼い息子と二人暮らしの友人の家に転がり込み、家事全般を担当してだいぶたつ男と、二度目の夫の連れ子を親代わりに育て、残してきたその娘に心を残す女、それぞれ家族のかたちを描いた中編二つ。鷺沢さんにとって人それぞれに流れる血と、そしてそれを結ぶ、またはそれを越える人との絆というのが永遠のテーマだったんだなあ、と感じる。書かれた時代はだいぶ昔になったけれど、内に流れているものはちっとも古くなく、いま彼女が生きていたらどんな作品を書いていたんだろう、と思わずにいられない。2017/12/20

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