新潮文庫
甘粕正彦 乱心の曠野

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  • サイズ 文庫判/ページ数 608,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101316406
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0195

内容説明

大杉事件の主謀者として“主義者殺し”の汚名を負い入獄。後年、満映理事長に着任後は一転、満州国の「夜の帝王」として君臨した、元憲兵大尉・甘粕正彦。趣味は「釣りと鴨撃ち、そして謀略」と公言し、現代史の暗部を彷徨した甘粕が、自死と共に葬ろうとしたものは何だったか?講談社ノンフィクション賞受賞の衝撃作に、新事実を大幅加筆。通説を大きく揺さぶる満州巨編評伝。

目次

序章 “主義者殺し”
第1章 幕末のDNA
第2章 憲兵大尉の鳴咽
第3章 鑑定書は語る
第4章 獄中の臣民
第5章 浴衣の会見記
第6章 暗鬱のルーアン
第7章 謀略人脈
第8章 満州ひとりぼっち
第9章 人は来りて見よ
第10章 満映という王国
終章 八十五年目の真実

著者等紹介

佐野眞一[サノシンイチ]
1947(昭和22)年東京生れ。出版社勤務を経てノンフィクション作家に。主著に、民俗学者・宮本常一と渋沢敬三の交流を描いた『旅する巨人』で大宅賞、大杉栄虐殺事件の真相に迫り、通説を大きく覆した『甘粕正彦乱心の曠野』で講談社ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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遥かなる想い

215
第31回(2009年)講談社ノンフィクション賞。 大杉栄虐殺の犯人として、そしてその後 満州に渡り、闇世界の帝王として 君臨したと 言われる 甘粕正彦の人生を追った物語である。 あまり 馴染みのない満洲時代の逸話は 新鮮で、日本の先人達が 蘇る、そんな物語 だった。 2017/08/27

岡本正行

62
 いい本だった。関東大震災発生の頃、大混乱した中で、憲兵が左翼の無政府主義者を妻子ともども惨殺した。その首謀者、自ら殺したといいも、証拠は殴るけるの惨殺、しかし自分で殺したといい、刑務所で受刑した、短期間で仮釈放され、その後もパリへ行ったり、満州国で映画会社理事長などで活躍した。結構、立派な正義感のある人らしい、人望もあったようだ。結局、上の方の意向、現場の犯行など合わせて自分一人で罪を被ったのが実情、しかも当然、自分の責任と考えていたようだ、ある意味、昔風の古武士、立派である。本人も腹を決めたって。2023/11/25

harass

24
大杉栄殺し事件の実行犯とされた甘粕大尉を中心に描くノンフィクション。この人物のイメージはよく見聞きしていたが実際の来歴やつきあいのあった人たちの話など実に複雑な人物だったと分る。軍刑務所を出獄してから渡仏し文化を学んだという。それが後の満鉄映画所長の仕事に役にたったのだと。近現代史に意外な有名人や親類が意外なところでてくることに興味深く感じるのはこの著者の本を読むさいにいつも感じることか。また膨大な資料を読み込んで細かな取材をする作家で恐れ入るのだが、ときおり牽強付会な見方など鼻につくところがを感じた。2014/05/25

fseigojp

13
麻薬を闇資金にしていたのは後進国家では常套手段のようです いや先進国でも?2015/07/15

KAZOO

10
この本を読むと甘粕という人物の世評との格差が明確になります。人物的には人ずきのするタイプであったのでしょう。またその時代に対しての理想についての信念が強すぎたからこそ、時代を壊してしまうようなことには我慢がならなかったのでしょう。時たまストレスを発散して心の均衡を保っていたとも考えられます。村上もとかさんの「龍」とイメージがぴったりです。2013/04/21

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