出版社内容情報
ツール・ド・フランスに挑む白石誓。波乱のレースで友情が招いた惨劇とは――自転車競技の魅力疾走、『サクリファイス』感動続編。
あれから三年――。白石誓は唯一の日本人選手として世界最高峰の舞台、ツール・ド・フランスに挑む。しかし、スポンサー獲得を巡る駆け引きで監督と対立。競合チームの若きエースにまつわる黒い噂に動揺を隠せない。そして、友情が新たな惨劇を招く……。目指すゴールは「楽園」なのか? 前作『サクリファイス』を上回る興奮と感動、熱い想いが疾走する3000kmの人間ドラマ!
内容説明
あれから三年―。白石誓は唯一の日本人選手として世界最高峰の舞台、ツール・ド・フランスに挑む。しかし、スポンサー獲得をめぐる駆け引きで監督と対立。競合チームの若きエースにまつわる黒い噂には動揺を隠せない。そして、友情が新たな惨劇を招く…。目指すゴールは「楽園」なのか?前作『サクリファイス』を上回る興奮と感動、熱い想いが疾走する3000kmの人間ドラマ。
著者等紹介
近藤史恵[コンドウフミエ]
1969(昭和44)年大阪府生れ。’93(平成5)年『凍える島』で鮎川哲也賞を受賞し、作家デビュー。2008年『サクリファイス』で大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
740
「サクリフィス」から3年、 今度の舞台はツール・ド・フランス。近藤史恵が描く 自転車レースの世界は 読者に知らない世界を 教えてくれて面白い。 白石誓がフランスという 異国の地で与えられたアシスト…ミッコをアシストする 白石、そして若きフランスのホープ・ニコラ。 3週間にもわたる戦いの果て に得られたものは何だった のか?そして、ニコラと ミッコの争いの結末は? スポーツにおける光と 影を爽やかにえがいている …そんな物語だった。 2014/12/29
ehirano1
555
今回の舞台はなんとロードレース世界最高峰のツール・ド・フランス。否が応でも期待が高まりますが、チカが所属するチームはレース前にスポンサー撤退によるチーム解散といういきなりの事態から物語が始まります。このような状況下、プロのアスリート達はどのようなメンタルを以ってどのようなパフォーマンスを繰り広げていくのかとても興味深く読みました。チカですか?、チカは日本人的な本物のプロでしたよ。2017/08/12
さてさて
434
『そうは言っても、エースの順位だけ競うわけではなく、自分のリザルトも残さなくてはいけないわけですから、とにかく奥が深い』と語る近藤さんが描く自転車ロードレースの世界。それは日本にいる限りなかなかに理解できない、異国の文化の土台の上にあるスポーツの姿でした。そんな世界に飛び込み、『もしかすると、ぼくにとって、これが最後のグラン・ツールになるかもしれない』というチーム消滅の危機の中、奮闘、奮戦する白石誓の自転車ロードレースへの強い思いが描かれたこの作品。夢の舞台『ツール・ド・フランス』を強く感じた作品でした。2021/05/15
zero1
382
ドーピングに汚染された自転車ロードレースを描くシリーズ第二弾。チカはフランスにいた。フィンランド人のエース、ミッコをアシストするのがチカの役目。だがスポンサー撤退でチームは解散することに。ツール・ド・フランスに参戦するものの、納得できない指示で空中分解の危機。ライバルチームのニコラと山岳勝負。ある取引を持ち掛けられる。チカの選択は?そして悲劇が・・・現実に薬物汚染は広がっている。「マイヨジョーヌの黄色は薬物汚染の色」と言われても仕方がない。このシリーズはまだ続く。2018/11/22
修一郎
379
チカ、ツール・ド・フランス編。自転車ロードレースの裏側まで解説付きで楽しめた。自転車レースって紳士協定と戦略が絡み合って実に奥が深い。観客として楽しむには結構な教養が要りそう。チカは自分の立ち位置を決めるレースだったけど、選択が正解だったと思いたい。前作サクリファイスでしてやられたので、タイトルになんか潜んでいるのではと身構えすぎた。俺って単純すぎ。考えてみれば作者がまた同じ手を使う可能性は低いんだけど。今回ミステリー要素少なめ、緊迫感あるスポーツ小説として、多少自転車競技に詳しくなった気分になって読了。2014/08/20