内容説明
ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと―。陸上選手から自転車競技に転じた白石誓は、プロのロードレースチームに所属し、各地を転戦していた。そしてヨーロッパ遠征中、悲劇に遭遇する。アシストとしてのプライド、ライバルたちとの駆け引き。かつての恋人との再会、胸に刻印された死。青春小説とサスペンスが奇跡的な融合を遂げた!大藪春彦賞受賞作。
著者等紹介
近藤史恵[コンドウフミエ]
1969(昭和44)年大阪府生れ。’93(平成5)年『凍える島』で鮎川哲也賞を受賞し、作家デビュー。2008年『サクリファイス』で大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mitei
1057
弱虫ペダルを読んでから本書に興味を持って読んでみた。なんとなく弱虫ペダルの登場人物が出てきているような名前が多かったので親近感が湧いた。そしてこの競技って犠牲(サクリファイス)がレースに重要な要素なんだなと思った。内容についてはアシストに徹する主人公が最後エースからアシストされていたことが衝撃だった。また続編のエデンがあるとのことだったので読んでいきたい。2016/08/29
遥かなる想い
836
2008年このミス国内七位。 第五回本屋大賞第二位という帯に惹かれて読んだ。軽く読めるが面白い。自転車競技にかける白石誓を主人公にエースの石尾とそのまわりにうずまく嫉み・悲劇・かけひきがうまくちりばめられている。2011/03/17
ビブリッサ
723
BSで毎年ツールドフランスを楽しみに観ています。自転車って人が人力で走る乗り物の中で最速。ロードレースでは、一つのチームがただ一人のエースを勝たせるためにサクリファイス(犠牲)となって、勝負に挑む。そこには他チームとの駆け引きの他に、チーム内での争いもある。冷徹なエースは、過去に罪を?チームの中で自分の仕事を全うするとは?ミステリーも絡みサクサクと読めます。自分の脚に全てをかけて勝負する男たちは、やっぱりカッコイイです!2016/04/26
修一郎
689
スピード感あって爽快感あって,坂道シーンでは一緒に心臓バクバクして…完全に没入,抜群の面白さだった。お初自転車小説。ロードレースってバンク自転車競技とまったく違うんだね。こういうルールならチームのみを表彰対象にすればいいのに、って思うのは日本人感覚?素直なのでアシスト=サクリファイスと読み替えていたら,ラストで見事に作者に投げ飛ばされた。このやられた!感こそ本の醍醐味。女と下手人像についてはミステリー仕立てのためのやむない道具と理解した。書きたかったのはそっちじゃなくて白石と石尾。早速エデンに向かいます。2014/08/04
ehirano1
674
いやはや面白いですね。ロードレースを題材にしたミステリーっていうのが新鮮ですし、ミステリー色をゴリゴリに出さずに必要最低限に留めたことで謎解きに終始することなく楽しめました。また、one for all, all for oneは理屈ではなく感情ですね。こういった感情が後天的に持てるのか、そうでないのか、当方は気になっています。2017/06/03