新潮文庫<br> 責任―ラバウルの将軍今村均

新潮文庫
責任―ラバウルの将軍今村均

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  • サイズ 文庫判/ページ数 533p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784101308036
  • NDC分類 916

内容説明

私には法律で罰せられない罪がある。―戦犯として服役をすませた後も、ラバウルの軍司令官には“終戦”はなかった。釈放後も、自宅庭先の三畳の小屋に自らを幽閉して戦没者を弔い、困窮している遺族や辛くも生還した部下たちへの行脚の旅が続いた…。敗軍の将・今村均の自責の旅路を辿りつつ、戦場の実態を冷徹に記す、太平洋戦争に逝った兵士たちへの鎮魂歌。新田次郎文学賞受賞

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モリータ

14
◆単行本は1984年新潮社。終戦とともに世を去った本間雅晴、甘粕正彦、阿南惟幾を扱った伝記三部とは異なるアプローチで、②ラバウルの戦犯収容所→①誕生から太平洋戦争勃発・開戦・終結→③ジャワ島での戦犯裁判→④帰国後・死去までを、今村が残した数々の手記、今村に縁のある将官・兵等による証言・文献、著者の取材を織り交ぜながら記述する。◆陸軍では特異なリベラル派であった今村の、ジャワでの融和的軍政やラバウルでの自給体制、収容所での部下への接し方、裁判時のふるまいなどが「責任」というキーワードで貫かれて描かれている。2019/05/29

デューク

3
将とはかくあるべし。そんな生き方を体現した、ある男の伝記。 インドネシア攻略作戦では、300年のオランダ支配をわずか9日間の戦いで終わらせ、ラバウルでは最前線にありながら終戦まで任地を守り抜いた。戦後は自らを三畳の小屋に幽閉し、戦犯として服役を終えた後も、敗軍の将として償いの日々を過ごした。赫々たる武勲と、「聖将」とまで呼ばれた高潔な人格。将たるにふさわしい人物は、若き日はの短気と興奮性をたゆまぬ鍛錬で克服した、ごく普通の人物でもあった。彼の責任の取り方に、背筋を正されること必至の一冊。おすすめ2016/09/05

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