内容説明
ベルリンのガイドで生計を立てる、美貌の男、カール。地方銀行に勤める平凡な会社員、昌明。金のため男に抱かれることに疲れ始めた、カズミ。退屈な生活。上下運動を繰り返す、エレベーターのような日々。しかし、それがある時、一瞬にして終焉を迎える。彼らの目の前に現れた、まったく新しい光景。禁断の愉悦に続く道か、破滅の甘美へと流れゆく河か。累卵の如き世界に捧げる、短編集。
著者等紹介
桐野夏生[キリノナツオ]
1951(昭和26)年、金沢市生れ。成蹊大学卒。’93(平成5)年、『顔に降りかかる雨』で、江戸川乱歩賞を受賞する。’97年に発表した『OUT』が社会現象を巻きおこし、日本推理作家協会賞を受賞。’99年に、『柔らかな頬』で直木賞を受賞する。エンターテインメント小説の枠をゆるがす問題作を、次々と発表している
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