新潮文庫
ゴッドスター

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 203p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101305325
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

ここは東京湾岸の埋め立て地。あたしと息子のカリヲと地霊メージの住む場所。社会から隔絶された埋め立て地では時空も歪んで、人間と地霊の不思議な邂逅さえ実現するのだ。けれどここに犯罪者のリアルな暴力が侵入してきた。戦いが始まる―ナイフの如くシャープな文章が、現実と幻想を華麗に融合させる。多彩なイメージと圧倒的スピード感に溢れた古川日出男ワールドがここに。

著者等紹介

古川日出男[フルカワヒデオ]
1966年福島県生れ。’98年に『13』で小説家デビュー。2002年『アラビアの夜の種族』で日本推理作家協会賞と日本SF大賞を、’06年『LOVE』で三島由紀夫賞を受賞する。’08年には二段組みで全738ページというメガノベル『聖家族』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

眠る山猫屋

56
東京湾岸地域に住む〝あたし〟は、二進式信号を押し続ける子供を拾い共に暮らし始める。無垢な子供にカリヲという名を与え、ママと呼ばせて。次第に不思議な世界へシフトしていく二人。埋め立てられた土地を親和性を持ってまとめている〝明治〟という人物たちとの邂逅、『モモ』の灰色の男たちのような不穏なグループの登場。〝あたし〟とカリヲをは世界を守るために武器をとる…。圧倒的なスピードで世界を渡っていく主人公たち。作者初期の物語性を彷彿させる本書だが、理解し寄り添う事が自分には難しかったかな。しかし、なんたる力強い流れ!2020/09/13

hit4papa

55
記憶を失くしたイノセントな少年と、少年を我が子のように育て始めた女性の物語です。拾った子供に名前を付け、その子にママと呼ばせる女性。二人の出会いが奇妙ならば、二人の日々も違和感が付きまといます。それを言葉、言葉、言葉…で埋め尽くす相変わらずの古川日出男節は、掴みどころが見つかりません。言っていることは分かる。しかし、何を言わんとしているかが分からない。言葉の奔流に身を任すしかありませんね。掴みどころのないまま終わるのかと思いきや、ラストに悪の芽生える余韻を残すのが良いのです。掴みどころはないんだけど…2021/08/06

さっとる◎

41
あぁ速い、速い…速度が高速で光速で、ノーマルだって光速で、ぎゅんぎゅん進む。あたしは誰か?ママだ。名前は?それはいえない。ここにあるのは?愛と希望と絶望と信じることと、明治時代には海だった地面。それから記憶。語られて騙られて、描写されて歴史になる。それでも襲いかかる恐ろしいもの、いらない真実、安全を奪うもの。ああどうする。いらないものはころしますから。大事なものを守るために時代を戻らなきゃ、信じるメージの時代に。戻って、それからどうなったかって?それはいえない。意味不明に胸がつまる本。2017/02/06

junkty@灯れ松明の火

26
初古川作品。気楽に読めるかなぁと思い読んだのに痛かった。認識し、許容すれば世界はいくらでも変化する。時間ですら速くなったり遅くなったり、止まったり。拒絶し、理解しなければ無い、ゼロと同じ。ただ現実は違う。行動しなければ変わらない。最後にあたしは世界を守る為に行動する。この後、世界を守れるのかは分からないけど。…真面目に感想書きましたが、この本どう考えても売れないでしょ?だって読みづらいし。マニアック過ぎる感じ。この作家さんはいつもこうなの?ハッキリ言います。この本の事が私は…大好きです♪ハマりました!2010/11/18

hide

17
じゃんじゃん読み進める。ひたすら吸収する。世界はどこまでも拡がりをみせ、有限が無限に、でもそれはどこまでも夢幻で、気がつけば自分が世界に吸収される。何だこれ?著者の作品で、今のところ唯一心震えなかった作品。2018/09/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/669781
  • ご注意事項