内容説明
真偽不明の指令乱発で指揮系統を見失った兵士たちに、「橿原」の真の目的地が明かされる。一方、船底の大戦争を生き延びた人の魂を宿す鼠の群れは、長い対話のなかに自らの行く末を探る。果たして「神器」とは何か、そして乗組員の使命とは?異界を抱える謎の軍艦に時空を越えた無数の声を響かせ、壮大なスケールで神国ニッポンの核心を衝く、驚愕の“戦争”小説。野間文芸賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
108
2011/7/31 Amazonより届く。 2018/4/10〜4/16 いやあ、辛かった。上巻の最後の方は少し好転したが、下巻になっても相変わらず。この世界は私には合わなかった。2018/04/16
BlueBerry
35
中盤もやはり冗長な感じは否めない。ラストも「なんだかな~」とゆー感じでモヤモヤします。文章は割と良いんだけどこうゆー本は結局、人気が出ないのよね(笑。序盤○中盤△ラスト△2014/03/29
タカギ
14
大変に難しかった。とりあえず推理小説ではないです全く。軍人と鼠と死人が入り混じって、軍艦橿原は謎の場所を目指す。そのあいだも艦上では切腹が行われたり、男色行為が横行したり、密告や拷問があったり、大混乱。全然コメディチックではないのだけど、鼠たちの会話や登場人物たちが滑稽で可笑しさはある。作者が何を伝えたかったかは、わからなかったな残念ながら。2017/04/14
てふてふこ
13
ロンギヌスが関ってくると、どんな展開でも受入れられるのは奥泉さん作品を愛してるが故?それでも今作品は時間が掛かりました。時系列や、死亡扱いのはずが再登場と、追うのに度々読み返し。印象深いのは「贋の神と日本、そう断じれば色々な事に辻褄が合う」という発想。あと、亡霊・桜井中佐の言う戦後は罪深い。目先の勝つ事しか考えてない。改めて戦争の理不尽さを思いました。2014/04/25
入江
7
「石目上水、君は何者だ?」という質問が『アラビアのロレンス』よろしく二度登場する。解釈が難しい、というか、呑み込みにくい内容です。毛抜け鼠の「~なんか、展開、急すぎね? 唐突っていうか。なんかヤバくね。マジで。」って感じ。2017/11/08