新潮文庫
検事失格

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  • サイズ 文庫判/ページ数 357p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101261911
  • NDC分類 327.13
  • Cコード C0136

出版社内容情報

「ぶっ殺すぞ、お前!」。恫喝により冤罪を作り出してしまった元暴言検事の告白。検察庁の真実を描く衝撃のノンフィクション。

「ぶっ殺すぞ、お前!」。僕は、その日、無実の組合長を恫喝した――。理想を抱き検察官の道に進んだ青年は、「割れ!」「立てろ!」という殺伐とした言葉が飛び交う職場を生き地獄と感じ、心身のバランスを崩してゆく。そして自らの弱さゆえ、冤罪をつくり出すという大罪を犯してしまった。元“暴言検事”の懺悔と告白。知られざる検察庁の闇を内側からえぐる衝撃のノンフィクション。

内容説明

「ぶっ殺すぞ、お前!」。僕は、その日、無実の被疑者を恫喝した―。理想を抱き検察官の道に進んだ青年は、「割れ!」「立てろ!」という殺伐とした言葉が飛び交う職場を生き地獄と感じ、心身のバランスを崩してゆく。そして自らの弱さゆえ、冤罪をつくり出すという大罪を犯してしまった。元“暴言検事”の懺悔と告白。知られざる検察庁の闇を内側からえぐる衝撃のノンフィクション。

目次

第1章 検事への志
第2章 「検事」への改造
第3章 挫折
第4章 束の間の復活
第5章 大罪
第6章 「暴言検事」の死
第7章 償い

著者等紹介

市川寛[イチカワヒロシ]
1965(昭和40)年、神奈川県生れ。中央大学卒。’90(平成2)年に司法試験に合格し、’93年検事任官。2000年から佐賀地検に三席検事として勤務、佐賀市農協背任事件の主任検事を務める。同事件の被疑者に不当な取調べを行ったことについて法廷で証言し、大きく報道される。その後、被告人は無罪となった。’05年に辞職し、’07年弁護士登録。’14年からアパリ法律事務所に所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

SOHSA

26
《購入本》ノンフィクションとしてそれも当事者本人が書いたものだけに飛び抜けた迫力がある。作品自体は極めて興味深くかつ意義深い。しかし、やはり検察官当時の著者の考え方、行動には賛同も同情もし得ない。いかに検察庁という組織の問題点を掲げて「他にどうしようもなかった、心の中では違うと叫びたかった」と言ってみても著者自身も認めているとおり、それは言い訳に過ぎないと思えるからだ。取調べで暴言を吐き調書に署名を強要することは勿論問題ではあるが、それ以前に著者自身が検察官としての資質に欠けていたのではないか。(→)2017/05/01

ねお

17
本書は懺悔の書であり、決意の書でもある。そして、検察という組織が変わるために学びを得るべき書でもある。筆者が辞職してから、郵便不正事件や足利事件をはじめ、多くの重大事件で捜査機関の捜査の過ちが繰り返されている。そして昨今のプレサンス事件は郵便不正事件から検察の体質が変わらないことを示す事件だとも言える。しかも特捜事件の取り調べは可視化されているにもかからず、である。本書は検察官の保身と野心がいかに歪んだものであるかを暴き、そうした強く優れた人たちの集まりが自分は間違えるはずがないという慢心から大きな過ち2022/03/29

藤瀬こうたろー

17
恫喝まがいの取調べを行って無罪事件を引き起こし、暴言検事として職を辞した元検事の方が書いた本。これを読むと少なくとも当時の検察庁は起訴ありき、無罪は不名誉という価値観に縛られていて、市川さんはこの流れで上司から半ば押し付けられた格好の事件で半ば強引に自白を得ようとしてこうした行為をしてしまいます。ただ、組織の体質も然りですが、ご自分の意見をもって主体的に行動したりするのが苦手なタイプの方のようにも感じました。とはいえ、辞めて弁護士となってから検察の体質改善に尽力しているのは素晴らしく、頑張ってほしいです。2022/01/10

Ikuto Nagura

6
冤罪加害者である検事の反省文。頑迷固陋な検察組織の体質には、怒りを通り越し失笑さえしてしまう。「問題が起きたときには、誰もなんの責任も負わないうやむやな後始末をするか、誰かが何もかも責任を負わされておしまいにされるかの両極端の解決しか行われなかった。どちらにしてもその場限りの結着で、真の問題解決はなされていないから、何年経っても同じ問題が発生し続ける」でも、公訴権を独占する検察だから大問題になったけど、日本の巨大組織ならどこも同様な体質で、著者と似たような葛藤は誰もが抱えてるものといえるのかもしれない…。2015/02/23

I love Michi

5
村木さんの本を読み、大坪元特捜部長の本を読み、元検事のこの本を読み・・・とにかく「怖い」と。一度睨まれたら”有罪にされる”。でも、無実だろうと思っている人を、”上司に逆らえなかったから”と自白調書を勝手に作り出して有罪にしてしまうものだろうか。もし、このようなことが”異常”と言う感覚なしに行われているとしたら、それこそ検察は異常でしょう。2015/10/24

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